5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」 氷河期、バブル…どの世代が損をした?#38Photo:123RF

中東情勢の緊迫化でナフサ価格が急騰し、総合化学4社の2026年4~6月期は在庫評価益が膨らんだ。ただし、原料相場が下がれば剥落する一過性の利益だ。今回は石油化学再編や高機能化を急ぐ三菱ケミカルグループ、三井化学、住友化学、旭化成と、AI向け半導体材料を伸ばす信越化学工業を取り上げる。5社の中で世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#38では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、氷河期世代は三菱ケミカルと住友化学で負け組、信越化学で勝ち組と明暗が分かれた。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

ナフサ高で膨らむ一過性利益
石化再編・医薬・AI材料で五社五様

 化学大手の足元の業績を読み解く上で、最大の変数となっているのがナフサ(粗製ガソリン)だ。2026年4~6月期は中東情勢の緊迫化を受けてナフサ価格が高騰し、三菱ケミカルグループ、三井化学、住友化学、旭化成の総合化学4社は大幅な増益や黒字転換を果たした。中東危機前に安く調達した原料で生産した製品と、足元の相場との差額が在庫評価益として業績を押し上げた格好だ。

 もっとも、ナフサ価格が下がれば利益は剥落するため、各社は一過性の追い風に頼らない収益構造への転換を急いでいる。三菱ケミカルグループや三井化学は基礎化学品エチレンの生産設備集約など石油化学事業の再編を進め、住友化学は構造改革を終えた医薬品事業が収益をけん引。旭化成はドイツの製薬会社を買収するなど、ヘルスケアや電子材料への資源配分を強めている。

 一方、信越化学工業はこれら4社とは異なり、AI関連需要を背景としたシリコンウエハーなどの半導体材料が成長の軸だ。26年4~6月期の純利益は前年同期比3.5%増の1308億円だった。同じ化学大手でも、事業ポートフォリオや成長戦略は大きく分かれている。

 もっとも、足元の業績や事業環境がどうであれ、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。

 今回は三菱ケミカルグループ、三井化学、住友化学、旭化成、信越化学を取り上げる。5社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。

 対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。

 試算の結果、三菱ケミカルグループでは若手の社員が勝ち組となった。三井化学と信越化学では現役の中堅・シニア社員が上位となる一方、住友化学と旭化成ではOB世代が最上位だった。勝ち組が若手、現役ベテラン、OB世代に分散し、5社で異なる構図となった。次ページでその詳細を確認しよう。