「そのイメージ通りでいいと思いますよ。僕も今さら“広岡さんに褒めてもらいたい”とは思わないです。でも、今になって改めて感じるのは感謝の思いです。僕の野球観の8割は広岡さんの影響を受けています。広岡さんのもとで、いろいろな経験をしたことが、その後の現役生活でも、指導者生活でも、とても役に立ちました。
やっぱり、感謝の思いですね。現役生活において、いちばんいい思いをさせてくれた監督ですから。僕は、広岡さんと過ごした数年間で大きな財産を得ました。人生にはさまざまな転機があるけど、広岡さんとの出会いは僕の人生の大きな転機でした」
『正しすぎた人 広岡達朗がスワローズで見た夢』(長谷川晶一、文藝春秋)
若松同様、「反発」から始まった指揮官への思いは、次第に「感謝」に変わり、「心酔」へと変化する。最後に松岡が照れ臭そうに言った。
「もし、広岡さんにお会いする機会があったら伝えておいてよ。“本当にありがとうございました。今でも感謝しています”って。あと、“90歳を過ぎられたんだから、もう毎年年賀状も出さなくていいですから”って」
リーグ初優勝、そして初の日本一から半世紀が経過しようとしている。かつての師弟は今でも、お互いに新年のあいさつを欠かしていないという。







