「オープンAIから手を引く」
キレたマスクは猛然と去った
それからしばらく経った、サンフランシスコにしては珍しく寒い荒れ模様の日、オープンAI社員は突然の不穏な全社会議のために、パイオニアビルの最上階に集められた。
『サム・アルトマン「生成AI」で世界を手にした起業家の野望』(キーチ・ヘイギー著、櫻井祐子訳、NewsPicksパブリッシング)
ソファに座ったマスクは、テスラでのAI開発によって利益相反が生じたために、オープンAIから手を引く、と爆弾発言をして数十人の社員を驚かせた。
アルトマンはマスクの貢献に感謝して、そのまま会議を終わらせようとした。だが社員は説明を求め、マスクはマスクらしく相手をした。厳しい質問が次々と飛び出した。
テスラではAIをどうやって安全に開発するつもりなのか?テスラがオープンAIに対抗する取り組みを進めたせいで、AI開発競争が激化して手に負えなくなったらどうするのか?
とうとうマスクはキレて、質問した若い研究者を「ボケ」と呼び、一同を唖然とさせた。マスクは猛然とオフィスを飛び出し、二度とオープンAI社員の前に姿を現すことはなかった。







