報道によれば、高市首相が衆院解散をした直後の日本国内の金利急騰に、ベッセント米財務長官が不快感を示して、世界経済フォーラムの年次総会で片山さつき財務相に対応を求めたという。
さらに、ロイターの取材では、ニューヨーク連邦準備銀行は1月23日に1ドル=159円台前半を付けた円安局面以降、為替介入前に通常行うレートチェックを実施したことも明らかになっている。(ロイター 2月3日https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/QEAIHMMRBRLMRNMF7MZMLZBJEE-2026-02-03/)
また、みずほ銀行の「みずほマーケット・トピック 高市演説を受けて~危うい現状認識~」(2026年2月2日) でも、高市首相の演説のなかで「円安になると国内投資が戻ってくる」という考えが滲んでいることを「前時代的な発想」だと警鐘を鳴らしている。
つまり、日米の金融関係者からすれば、今回の「円安ホクホク」発言は「ただでさえ減税とか積極財政とか言って市場がピリついているところに、なんでこの人は事態を悪化させるようなこと言うかな」というかなりイラッとくる失言だったのだ。
しかも、「円安ホクホク」は事前に用意されていた演説原稿になかったという報道もある。国会での「台湾有事」発言と同様、事務方のつくった原稿を無視して、「言う必要のないリスキーな話」をアドリブで語り出して炎上してしまったとしたら、これは批判されてもしょうがない。
ただ、実はそんな「円安ホクホク」よりも、ヤバい思想が1月29日の徳島県での演説では垣間見える。
「私たちの国で為替変動にびくともしない、国内にしっかり投資をする」
「今始めなきゃ間に合わない。だから私は責任ある積極財政を訴え続けてきた」
「高市内閣で初めてこれまで続いた緊縮思考が変わるんですよ」(自民党 1月29日 https://www.jimin.jp/news/information/212335.html)
先進国最低レベルの食料自給率38%、エネルギー自給率12.6%(2022年度)、他にも多くの分野で原料を輸入で賄う日本で「為替変動にびくともしない経済」をつくるのはかなり難しい。政治的スローガンとしては大衆をうっとりさせることができても、現実は「絵に描いた餅」だ。
しかも、それを積極財政による国内投資で実現するというのは、経済の常識からすると大きくクエスチョンマークが浮かぶ。







