2023年5月にデビューし、絶好調で売れているのに、2025年10年に新型が出たデリカミニ。たった2年半でフルモデルチェンジした背景には、今回のタイミングで出せる、新型の開発が進んでいた、という事情があった。旧型・新型ともに、デリカミニのプラットフォームは日産ルークスと共通。新しいデリカミニのベース車もまた、三菱と日産が共同開発していたものだった。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):前回と同様に、今回の新型もベース車両は日産との共同開発。いくらデリカミニがよく売れているからといって、三菱が好き勝手にできるわけがない。向こうにはルークスがある。その辺りはどのように調整したのでしょう?

三菱自動車工業 商品戦略本部 チーフ・プロダクト・スペシャリスト(Domestic Vehicle) 藤井康輔さん(以下、藤):そこなんですが……。

三菱自動車工業 商品戦略本部 チーフ・プロダクト・スペシャリスト(Domestic Vehicle) 藤井康輔さん三菱自動車工業 商品戦略本部 チーフ・プロダクト・スペシャリスト(Domestic Vehicle) 藤井康輔さん Photo by AD Takahashi

 前号ではここまでお話しした。では早速続きの部分から。

日産との力関係は「6対4」?

F:デリカミニは、今や三菱自動車の国内販売の3分の1を支える金看板。売れに売れています。日産側もそこは無視できないでしょう。ベースになる車両を日産と共同開発するにしても、今回は三菱側の発言力がグッと増したのではありませんか?

藤:またまたツッコミますねぇ……(苦笑)。確かにデリカミニはよく売れている。ですが日産さんは本来、ウチの4倍ぐらいの販売台数があるんです。

F:4倍!そんなに……。

藤:はい。ですが、ルークスとデリカミニだけを取り上げて見ると、そこまでの差はありません。ざっくり言うと6対4ぐらい。半々とまでは行きませんが、だいたい6:4ぐらいの割合でルークスが多い。しかし販売店あたりの販売台数でいうとウチのほうが多くなる。「発言力が増した」という言い方が正しいかどうかは別にして、開発に当たっては、日産さんは我々をとてもリスペクトしてくれています。

F:なるほど。

藤:新しいデリカミニは、Dピラーがとても特徴的です。ええ。クルマの柱は前からA、B、Cと来て一番後ろを支える柱がDピラー。今回はここを太くして車体にガッチリ感を与えています。旧型と見比べると一目瞭然。物理的に太くしている。ここはウチのリクエストを織り込んでいただいて、“デリカらしさ”を出しにいきました。もちろん日産さん側からも「イイね」と言っていただいて。

新型では、Dピラー(後部座席の窓とリアガラスの間の柱)が太くなった新型では、Dピラー(後部座席の窓とリアガラスの間の柱)が太くなった(広報写真)

F:確かに、写真で見ても分かりますね。太くなってる。