そもそも、前の会社で取り扱っている商品・サービスと、今の会社の商品・サービスが同じタイプなのかということもありますし、販売先の会社の規模や業種などが同じか否かも気にしておく必要があります。

 前職で「型にはめて売る」を徹底的に極めた人が、そこで培った「お客さんをコントロールするスキル」で販売しようとすると、そういう売り方に適していない開発チーム、契約サポートチームは対応できません。

 反対の場合、つまり「カスタマイズ売りが得意な人」が、「型どおりの商品を売る会社」に入社した場合には、より大きな問題になります。中途のエースが新たな契約を取ってきたが、商品側がカスタマイズに対応できないという事態です。こうなると、契約不履行などのリスクも生じます。

 これを防ぐためには、新しいメンバーがチームに参画した直後に、しっかりと知識・経験に関する情報のすりあわせを行いましょう(本来であれば、採用の際に確認すべきですが)。

・ どういう商品を取り扱っていたのか
・ その商品の特徴・特色、セールスポイントは何か
・ その商品と、自社の商品の「売り物」としての共通点および違いは何か

 などを、しっかりとヒアリングします。

 こうした部分がクリアにならない限りは、「その人のやり方を、自社にも適用しよう」と考えてはいけません。

 また、こうした質問にどの程度すらすらと答えられるかということも、優秀さを図るバロメーターにもなりますので、マネジャーが自らの責任として実施しておくべきです。

 加えて、やっている仕事のレイヤーに関しても確認しておきましょう。

 典型的なのは、優秀なプレイヤーではあったが、マネジャーとしての経験はないというケースです。

 それにもかかわらず、「有名企業で優秀な営業だった」ということだけを理由に、彼から「営業のやり方」を学ぼうとしても、良い結果につながらないリスクがあります。

 単体のプレイヤーとして優秀であることは、必ずしも、営業パーソンを育成・指導することに長けているということを意味しません。

 その人が前職において、どういう性質の仕事を行い、どのように活躍していたのかを知ることは、チームと中途エースとの融和を図るために重要です。

 マネジャーが率先して、情報収集をしていくべきでしょう。