ノンフィクション作家で、第5回日本ノンフィクション賞や第34回菊池寛賞などを受賞している澤地久枝(1930年生まれ)は、旧制県立防府高等女学校(防府高校の前身)に1年間だけ在籍していた。

 澤地は満鉄勤務の父の関係で1943年に吉林高等女学校に入学した。46年には満州からの引き揚げ者として伯母の実家である防府に身を寄せ、防府高女3年生に編入した。一家は上京し、澤地は旧制の都立向丘高等女学校(現都立向丘高校)に1年通い、早稲田大第二文学部国文科に入り卒業、「婦人公論」編集部員になった。(「澤地久枝への誘い」(白地社)から)

 小説家では、群像新人文学賞を受賞した華城(はなぎ)文子もOGだ。原田節雄は、ソニー勤務ののち文筆家になった。

政治評論家の岩見隆夫や
元NHKアナの山根基世も

 種田山頭火といえば、五七五の定型や季語にしばられない「自由律俳句」で戦前に活躍した人物だ。酒で身を持ち崩した「漂泊の俳人」だったが、現在もファンが多い。

 その種田は、防府高校の前身である私立「周陽学舎」を1899年に卒業し、山口県立山口尋常中学(現山口高校)の4年に編入した。周陽学舎と山口中学に在籍中は、地元の句会などによく顔を出していた。

 30歳を超えたころから「自由律」に傾斜、雲水姿で西日本から信州、東北地方までを歩き、多くの作品を残した。生まれ故郷の防府市に「山頭火ふるさと館」ができている。

 政治コラムニスト、ジャーナリストとして健筆をふるったのは、岩見隆夫だ。毎日新聞の政治記者出身で、コラム「近聞遠見」などが評価され,日本記者クラブ賞を受賞している。テレビの情報番組にもよく出演していた。防府高校を経て京都大法学部卒だ。

 テレビ界では、山根基世が2005年にNHK初の女性アナウンス室長を務めた。アナウンサーの海外支局や解説委員へのキャリアパスの導入に努めた。

 NHKスペシャル『映像の世紀』などで幅広く活躍、「ナレーションの山根」といわれた。現在もフリーアナウンサーとして、朗読を通じて地域づくりをしながら子どもの言葉を育てる活動に取り組んでいる。