NTT元社長の和田紀夫や
ヤフー元会長の宮坂学もOB

 卒業生にはIT企業の経営者もいる。ヤフーの社長、会長を、2012年から19年まで務めた宮坂学だ。小池百合子東京都知事の推挙により、都議会の同意を得て19年9月には東京都副知事に就任した。都庁のデジタル化を推進している。

 宮坂は防府高校を経て同志社大に進学、PR雑誌の制作に携わった。1997年に設立2年目のヤフーに転職、草創期のヤフーニュースなどの立ち上げに関わった。会社の急成長とともに、入社15年、44歳でトップの座に就いた。

 和田紀夫は2002年に、第5代の日本電信電話(現NTT)の社長になり、07年~12年に会長を務めた。防府高校を経て京大経済学部卒で、生え抜きとして公社時代の日本電信電話に入社した。NTTトップとして放送と通信の融合の問題に積極的に取り組んだ。日本棋院理事長、日本中央競馬会運営委員なども務めた。2026年1月に、85歳で死去した。

 さらに企業トップ経験者では、松野浩二(日立金属)、荻原益三(ビデオリサーチ)、山本一元(旭化成工業)らがOBだ。

 北海道銀行の頭取を務めた藤田恒郎(つねお)もいた。大蔵官僚の出身で、証券局長在任中にはインサイダー取引規制などを柱とした改正証券取引法を成立させた。退官後の1992年~2003年、道銀頭取を務めた。25年7月に死去した。

 防府市の老舗企業では、白石民彦が1765年創業の白石呉服店の第10代当主だ。光浦健太郎は1865年創業の光浦醸造工業の8代目代表だ。

 学者では、元山口大学長の岡正朗(まさあき)がいる。同大医学部に進学し、消化器・腫瘍外科学教授となり、医学部付属病院の病院長を務めた。

 宇多村元昭は、日立製作所でガスタービンの設計・開発に従事したのち、東京工業大特任教授となり、熱力学の研究をしている。

 通信工学者で、東北大21世紀COE企画室室長を務めた原田正親もOBだ。

 明治時代に周陽学舎で学んだジャーナリストの羽仁吉一は、妻の羽仁もと子(旧制東京府立第一高等女学校・現都立白鴎高校卒。「鴎」は、正しくは「メ」の部分が「品」)と共に大正時代に「自由学園」を創立した。昭和時代の歴史学者であった羽仁五郎(旧制東京府立第四中学・現都立戸山高校卒)は、娘婿だ。

 池田辰夫は民事訴訟法を専門とする法学者で、東京地裁判事補などを経て大阪大法科大学院教授を務めた。