最新AIの登場で「代替される」職業とは?
一方で「就職希望」が増える職業も!

 オーパス4.6で業務の自動化、省人化が加速することは間違いない。言語化できてマニュアルやひな形、分析のための数式がある形式知の分野は、これまで以上にAIが取って代わるようになる。そのインパクトは大きい。

 例えば、これまでは法律事務所の若手弁護士が契約書のドラフト作成を担当していた。IT先端企業は大勢のプログラマーを採用してきた。彼らは、顧客企業が必要とする会計や人事、物流などのシステムを動かすコードを作成した。コンサルティングや金融機関のジュニア・アナリスト、アソシエイトは市場動向のリサーチペーパー作成や財務分析を行ってきた。

 オーパス4.6は、こうした分野での人材の必要性を低下させる。アンソロピック社内では、すでにAIがAI開発の大半を担い始めているという。アモデイCEOは、「今後1~2年でAIがAIを生み出すようになる」と予想。それゆえ、「AIの危険性をどう排除するか」も重視しているそうだ。

 今後は、優秀なAIモデルが開発された影響で、IT先端企業やソフトウエア開発、データセンターやシステム開発などのビジネスモデルは大きく変わるだろう。そうなると、IT、金融、法律などの各業界の再編につながる可能性もある。だから、2月第1週に米国、中国、インドのIT企業や金融機関などの株価が下落したのだ。

 ただし恐らく、株価下落の要因はアンソロピックだけではない。1月末には中国でも新たに月之暗面(ムーンショットAI)の新モデル、「Kimi K2.5」が発表された。ChatGPTと性能はほぼ同じながら、運用コストは5分の1程度といわれている。

 足元で、世界的に株価は高い傾向にある。これを反映して、昨年に起きたディープシークショックの再来を警戒する投資家、利益確定を急ぐ投資家が増えている。非製造業分野で大手企業の優位性が揺らぐ、との懸念も上昇した。日本でも大手総合電機メーカーの株が売られた。

 また別の興味深い点を指摘したい。AIの成長が加速する一方で、世界的にいわゆるブルーカラーワーク(肉体労働の職)に就こうとする人が増えている。感覚や経験によるセンスが重要な分野で、人間の役割への期待が高まっていることを意味する。

 この流れから、芸術の世界でも実力ある人へのニーズがこれまで以上に高まるだろう。オーパス4.6の登場で、形式知の分野でのAIや、AI搭載ロボットの利用が加速し、暗黙知が重要な分野ではプロ人材の需要が一段と増えるきっかけになるはずだ。