オープンAIのChatGPT 、グーグルのGeminiと
アンソロピックのAIの決定的な違いとは?
2月3日、米国の株式市場で一部のソフトウエア開発企業の株価が下落した。アンソロピックの最新AIが登場したことで、当該企業の優勝劣敗が鮮明化するとの思惑が出たのだ。
現在、世界で使われているAIモデル(推論モデル)は形式知の処理に強みがある。例えばオープンAIのChatGPTは、論理的な推論が得意だ。グーグルのGeminiは、グーグルが蓄積した検索などビッグデータを学習し、文字、画像、音楽などマルチな処理を行う。中国のディープシークは、ChatGPTなどの推論性能を模倣し低コスト運用を実現した。
アンソロピックのオーパス4.6も、それらの能力を持つが、既存モデルの決定的な違いがある。プログラミングコードの作成(コーディングという)と、他のアプリとの連携(エージェント動作)だ。なぜ、こうなったのだろうか。
まず、事業戦略の違いに起因したと考えられる。アンソロピック創業者のダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は、当初からビジネス向けのAI開発に集中した。AIによるコーディング、法務、財務管理や分析に重点的に取り組んだのだ。
筆者も実際に、オーパス4.6で株価などの分析を行ってみた。「米国のS&P500インデックスの推移を説明する重回帰モデルを作って」と簡単に指示すると、他の推論モデルよりも精緻な計量分析を行うことができた。パイソンなどのコーディングも速くて、率直に驚いた。博士号取得者が複数人体制で行った業務が、このモデルを使うと短時間で終わる。
エクセルへの組み込みなど汎用性も高い。完全自動ではないが、オーパス4.6はテンプレートを読み取り、分析した内容をパワーポイントにまとめる。何というか、職場で若手の同僚に作業してもらう感覚だ。ChatGPTは、今のところテンプレートの読み取りには対応していない。Geminiも、そこまではこなせない。
一方、オーパス4.6には課題もある。まず、運用コストはChatGPTやGeminiを上回る。そして、メモリー容量も課題だ。
世界的なAI開発競争の激化でメモリー半導体の需給はひっ迫している。アンソロピックの最新AIモデル発表で、世界的にメモリー半導体の開発、生産体制の拡充が急務であることもあらためて明らかになった。







