ドイツと日本の株価は横ばい~上昇のワケ
日本が進むべき道とは
冒頭でも伝えた株式市場の動きで興味深いのは、IT先端銘柄の多い米ナスダック総合指数が下落したことだ。中国版ナスダックと呼ばれる深セン総合指数も、韓国総合指数(KOSPI)も下げた。
対して、ドイツの株価はほぼ横ばいだった。東証株価指数(TOPIX)は上昇した。株価の変化は、AIの成長加速により世界の産業構造が変化しつつあることを示唆している。
ドイツと日本の共通点は、自動車や工作機械、化学製品など製造業に比較優位性があることだ。つまり、モノづくりが強い経済である。職人技といわれるように、モノづくりには歴代の技術者が磨き、蓄積した知見が不可欠だ。
それは、現在の中国の製造業からも確認できる。昨年、中国政府がファーウェイなどと連携して、極端紫外線露光装置(EUV)のテスト機を完成させたと報じられた。ただしその大きさは、オランダASMLの数倍もあるという。原因の一つは、光を集めるレンズの製造技術の未熟さにあったとみられている。
半導体や工作機械を作るための素材・部材分野で、日本の製造技術レベルは高く、簡単には模倣されない。AIやロボットで代替することも一朝一夕にはいかないだろう。
ここに、わが国の産業界にとって一つの重要なヒントがある。日本の強みを生かして、AIの社会実装に必要な半導体の素材や部材の製造技術を一段と磨くべきだろう。そうすれば、世界経済における日本企業の重要性は増すはずだ。
AIは、基本的にビッグデータを基に将来を予想する。世界は今後、過去と同じパターンで変化するとは限らない。構造変化へ対応するために、人間の判断の重要性は高まる。大局的に将来の展開を予想し、より深い洞察を提供する専門家の知見がその代表例だ。
一般的な個人はどうしたらいいのか。正確性の確認は必要だが、AIを使うと最新理論を理解しやすくなるだろう。文明の利器を活用して、学び直しを重ね新しい知見を獲得し、自分なりの考えを表明することができる。
AIの世紀、個々人の経験やセンスに裏打ちされた分析、有益な意見に対する需要は高まるだろう。AIにおびえるのではなく、マニュアル化できない能力を積み上げよう。AIをうまく使うことが大切だ。








