また、お笑いから華麗なる転身を遂げ、役者として晩年を過ごした人物として、ザ・ドリフターズを率いたいかりや長介を外すことはできない。ドリフ時代には女装や裸もあり、メンバーを恫喝するボスキャラのイメージがあったいかりや。しかし当時から役者としての才能が評価されていた。お笑いにも造詣が深い作家の小林信彦は、著書『笑学百科』(1982年/新潮社)の中で、いかりやについてこのように評している。
いかりや長介 Photo:JIJI
《単独で脇(役)にまわったら、渋いユニークな演技者になるだろうな、と考えていた。高度成長からとり残されたたぐいの人物を演じたら、風貌といい、柄といい、ぴったりである。いまどき、ハングリーな雰囲気をこれだけ感じさせる人も珍しい。》
この指摘通り主演ではなく、『踊る大捜査線』(1997年/フジテレビ系列)でのベテラン刑事役や、木村拓哉主演『GOOD LUCK!』(2003年/TBS系列)での頑固な船宿の主人役など、脇で強烈に印象を残す役柄が多い。さらに言えば、黒澤明監督の『夢』(1990年)に起用された事実をとっても、その特異な存在が認められていたと言えるだろう。
バカリズム、明石家さんま
浜田雅功、ひょうろくの共通点とは?
今では、映画や地上波ドラマ、ネット配信作品と、芸人が演技を披露する機会は格段に増えた。さらには、『架空OL日記』(2017年/読売テレビ系列)のバカリズムや、『婚活1000本ノック』(2024年/フジテレビ系列)の3時のヒロイン・福田麻貴、『コンシェルジュの水戸倉さん』(2025年/BS日テレ)のひょうろくなど、芸人が主演を務める作品も増えつつある。
バカリズム Photo:JIJI
その流れを決定付けたのは、明石家さんまだろう。主演を務めた『男女七人夏物語』(1986年/TBS系列)は、伝説のトレンディドラマであり、関西弁のキャラクターが初めて本格的な主役に据えられた作品とも言われている。その後、さんまが主演を務めた映画やドラマは数えられないほどある。
明石家さんま Photo:JIJI
テレビドラマを中心に、ダウンタウンの浜田雅功も主演で数々の作品に出演した。『もしも願いが叶うなら』(1994年)、『人生は上々だ』(1995年、共にTBS系列)、『明日があるさ』(2001年/日本テレビ系列)などヒット作も多い。
浜田雅功 Photo:JIJI







