一方でここ数年、政府の働きかけもあって賃金は上昇傾向が続いています。これまでは名目賃金が上昇しても物価がそれ以上に上昇する状況が続いてきたのですが、いよいよ足元で実質賃金がプラスに転じそうなところまでやってきました。つまり1番目の実質賃金上昇については、高市一強の中でこれから先の一年間で実現・定着しそうなのです。
しかし問題は2番目の社会保険料です。国民レベルで実感しているように、最近では税負担以上に、給料から差し引かれる健康保険料や年金の負担額が暮らしを悪化させています。
そしてこの社会保険料負担は「今後も悪くなることしか考えられない」のが現実です。というのも少子高齢化の人口構造ですから、今後、若者が支えなければならない高齢者の数は増える一方です。
辻褄(つじつま)を合わせるには、若者の支払う保険料を増やすか、高齢者が医療負担を増やすか、ないしは税収を増やすしか方法がありません。将来的にはこの3つのうちのどれか、あるいはその全部が起きます。
では、その前提でも国民が幸せになるのはどのような場合でしょうか?ここが一本道しか解がない部分です。若者の支払う保険料を増やさず、高齢者の医療負担も増やさず、かつ増税しない未来をつくる解決法はひとつしかありません。
経済成長で税収が増えることです。
この構図を前提にすることで、高市政権の「責任ある積極財政」が理解できるようになります。
高市首相の経済政策を後押し
2026年に吹く「神風」の正体
高市政権がやろうとしていることは、一時的に2~3年の間のプライマリーバランスを気にせずに積極財政をやることで、経済を刺激することです。
この政策のリスクとしては国債発行額が増えるリスク、長期金利が上がるリスク、そして円安に向かうリスクを抱えることになります。
ただ短期的には国民が危惧するほどまでには円安は進まないでしょう。というのは、消費税減税の財源に外為特会の税外収入があてにされているからです。
つまり円安が進むたびに為替介入をすることで莫大な利益が生まれ、それを財源に食品の消費税をゼロにするメカニズムの話になるので、不思議な形で辻褄があって、インフレの抑止策である消費税減税と円安の抑止策である為替介入の結果が両立するのです。これから先の2年程度はそういう現象が起きます。







