従来、限界測定は作業員が現地に赴き、限界測定器とよばれる機器を用いて手動で行っていた。人手と時間がかかるだけでなく、線路内作業には危険が伴う上、アナログな計測手法はばらつきが生じやすい。これを、点群データを解析した測定値に置き換えることで改善しようというのだ。

限界測定器を使用する様子限界測定器を使用する様子(JR西日本提供)

 詳細は専門的になりすぎるので省くが、実際のデータを見れば一目瞭然だ。次の写真の左側は3次元の点群データ上に建築限界(赤い枠)を表示したもので、線路だけでなく架線柱や建屋まで測量できていることが分かる。右は実務で使用する断面図形式で表示したものだ。建築限界を支障する物体を検出できる他、画面上で建築限界から任意の点を指定すると最短距離を計算できる。

RaiLis Viewer「RaiLis Viewer」で任意の区間の建築限界を表示可能(JR西日本提供)

 車両の上部、側部、下部、ホームなど、それぞれの限界に対応し、カーブでは車体にあわせて限界も傾いて表示される。一見すると単純に見えるが、点群データを業務で使える形にするには、かなりの労力が必要だ。

 鉄道の運行管理、設備管理、工事計画などはいずれも、起点からの距離を表す「キロ程」と、「軌道中心線(2本のレールの中心線)」からの距離を管理基準としている。軌道中心線はレール上面からやや下、車輪と接触する箇所を基準点とするが、生の点群データはそのような情報を持ち合わせていない。