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2025年以降、日経平均株価を大きく上回るパフォーマンスとなっている非鉄金属セクター。市場ではデータセンター関連としても脚光を浴びる企業も多いが、その勢いは続くのか。特集『日経平均6万円突破か減速か 攻めと守りの投資術』の#11では、中東情勢の緊迫化以降、コモディティ価格が大きく上下する中での非鉄セクターの見通しを「外部要因」「内部要因」に分けて解説。市場寡占度や投資効率などの独自要因で成長できる企業についても、具体名を挙げて紹介する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
銅価格の上昇に加えて
データセンターの追い風も
「35%vs295%」――。
この数字は2025年初からのTOPIX(東証株価指数)と非鉄金属セクターの株価騰落率である。非鉄金属セクターは鉄以外の銅や金、ニッケルなどの製錬や加工をする企業がそろうセクターで、近年はAI向けの光ネットワークや電力インフラ、半導体基板材料の需要拡大によっても注目度が高まっている。
代表的な企業はフジクラや三井金属、住友電気工業、住友金属鉱山などで、業績が拡大傾向にある企業が多い。株価上昇率は東証33業種の中でも1位で、株価が数倍になった銘柄も少なくない。
従来、地味なセクターであった非鉄金属が脚光を浴びたのは主に二つの理由がある。コモディティ市況が好調だったことと、AI向けデータセンター投資が伸びていることだ。
「旺盛なデータセンター需要に加えて、この1、2年は金、銀、銅、白金などの価格が大きく上昇した。特に金、銀については金融緩和で余った投資資金が流れ込んだ」(UBS証券の五老晴信アナリスト)
とはいえ、非鉄セクターの今後には不透明感も台頭していることは事実だ。中東情勢の緊迫化が長引くことにより、エネルギー価格の上昇に加えて、電力代、物流費などインフレ圧力が高まっているからだ。欧州では利上げが発表され、米国も26年は利下げを今のところ見送っている。
「米国の利下げ見通しが不透明になっている。非鉄セクターは景気敏感セクターであり、必ずシクリカル性がある。その最大の振幅要因は金利だ。単純化するならば、金融緩和のときに上がり、引き締めのときは下がる」(五老氏)
では、ここから注目すべきポイントや具体的な企業とはどこか。五老氏は、足元の市況が良いことだけに注目するのは避けた方がいいと指摘しつつ、データセンターへの投資は活況が続くとみている。国家間の緊張が高まるほど情報インフラ勝負になる傾向があるからだ。
「エネルギーと同様、情報ネットワーク網は優先的に拡充される段階になっており、投資需要が大きく減退するリスクは減りつつある。むしろ、伸びゆく需要への対応力があるかどうかで企業の業績の期待値が決まるというイメージだ」(五老氏)
需要減退のリスクが小さいデータセンター関連では、生産能力が足りなくて売り上げを伸ばせないことがネガティブになる。同時に、大きな投資をすることになるため、投資回収の期待値が重要になる。
「ここから市況が上に行っても、個別要因が求められても、勝ち切れる企業に注目するべきだろう。データセンターへの投資の活況が続く中、今後はどれぐらいの利ザヤを確保して、どれぐらいの期間で回収するかという効率性が問われる。利ザヤはマーケットの寡占度に大きく関係してくるため、増強する対象がどういったアイテムで、その会社のポジションがどういうところにあるかというのが非常に大事になってくる」(五老氏)
この1年、業績、株価共に絶好調だった非鉄セクター。果たして今後も勢いは継続するのか。次ページでは「外部要因と内部要因」「市場寡占度や投資効率」などのキーワードを中心に、これからの相場で重視すべきポイントや見落としがちなリスクを解説。今後はデータセンター関連でも明暗が分かれる可能性が高く、躍進が期待できる企業、伸び悩むリスクがある企業についても具体的に名前を挙げて紹介する。







