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高金利通貨に新しい選択肢
政権交代で注目されるハンガリー
4月12日に行われたハンガリー総選挙(一院制・定数199)では、親ロシアのオルバン首相率いる「フィディス・ハンガリー市民連盟」が敗れ、新興野党「ティサ(尊重と自由)」が138議席を獲得する圧勝となった。これによりハンガリーは16年ぶりの政権交代となり、ティサの党首であるマジャル氏が5月から首相に就任する。
オルバン首相は元々、民主化の旗手として名を馳せた人物だ。1998年〜2002年の第1次政権では、ハンガリーのNATO加盟を果たし、EU加盟の準備を進めるなど親EUの姿勢をとっていた。
しかし、2010年から16年に及ぶ長期政権では、ロシアとの関係を深め、ウクライナ戦争後もロシア産原油の購入を続ける一方、EUによるウクライナ向け融資を阻止するなど、反EU姿勢が目立っていた。
また、司法やメディアへの介入を強める強権的な手法も、他EU諸国から批判を浴びてきた。今回の選挙で親EU派のマジャル氏が勝利したことで、EUとの関係改善が強く期待されている。
こうした状況を受け、市場でもハンガリーフォリント(以下、フォリント)への注目が高まっている。昨年1月からフォリント円の取引を開始した東京証券取引所「くりっく365」のデータを見ると、当初は少額にとどまっていたフォリントの取引量が昨年後半から着実に伸びており、2026年3月時点では、ユーロ円やポンド円を上回る規模となっている。
フォリントが注目される最大の理由は高金利にある。ハンガリー中銀は今年2月に18か月ぶりの利下げを実施したものの、同国の政策金利は6.25%と高水準にある(4月24日時点)。これは、ユーロ(2.00%)、ノルウェー(4.00%)、スウェーデン(1.75%)、旧東欧圏のチェコ(3.50%)やポーランド(3.75%)と比較しても突出して高く、高金利通貨の代表格であるメキシコや南アフリカ(6.75%)に近い水準だ。
高金利通貨投資は長期保有が前提となるため、国の安定性も重要だ。EU内で「ストロングマン(強権的指導者)」の筆頭格だったオルバン首相が退陣し、新体制へと移行することで政治的リスクが後退したことは、フォリント投資の魅力をさらに高める要因となっている。







