
まずは業界動向や技術トレンドを広く俯瞰し、当社のコア技術との接点を探りながら仮説を立てる。そこから特許情報を使って裏付けを取り、ストーリーを構築していきます。
IPLは、ツールを操作しさえすれば簡単に答えが出てくるというものではありません。重要なのは、どんな仮説を立てるか、どの業界を先に見るか、どんな視点で切り取るかという設計です。ツールはあくまでその仮説を検証する手段であって、仮説自体は人間が立てるもの。技術理解とビジネス感覚の両方が欠かせないものといえます。
「決める」ためのものではなく
判断を高度化させるための材料にすぎない
――社内ではどのように連携しているのでしょうか。
笠井 実際のプロセスでは、R&D部門、知的財産部、知財インテリジェンス室の三者で議論することもあります。開発部門が「どんなテーマに取り組むべきか」と悩んだときに、知財インテリジェンス室に直接相談が来ることもありますし、知的財産部を通じて課題が共有されることもあります。三者でコミュニケーションを取りながら、仮説を磨き、IPLの分析を加え、方向性を整理していく、という流れです。
強調したいのは、IPLは「決める」ためのものではなく、「判断を高度化する」ための材料だということです。可視化された客観データを基に議論することで、関係者の認識を揃え、自信を持って判断できるようになる。その意味で、経営や事業の現場に入り込む機能として位置付けています。
――経営への「上げ方」はどういうプロセスですか。経営会議に入るのですか。
笠井 IPLは全案件で必ず使われるわけではなく、パターンはいくつかあります。経営企画担当役員から、特定テーマについて「提案書のストーリーが客観的に妥当か検証してほしい」と直接依頼が来ることもありますし、経営企画部と連携し、投資提案などで必要な場合にアウトプットを出すこともあります。特に技術視点で検証が有効な、提携や協業の案件などでは判断材料として適している面があり、そうしたテーマを中心に利活用されています。
――知的財産部との連携はどのようにしていますか。







