身長170cmで「最も長生きできる体重」は78kg
では、65歳以降の理想体重はどのくらいでしょうか。日本人男性の平均的な身長に近い170cmを例に、データから考えてみましょう。
統計上、最も死亡率が低く、長生きできる体重は「78kg」です。BMIにして約27。現在の日本のメタボ基準からすれば「肥満」と判定されるゾーンであり、お腹もそれなりに出ているでしょう。見た目がどうであれ、生存率という冷静なデータがこの数字を示しているのです。
私が提唱しているのは「戦略的ちょいデブ」という考え方です。目安はBMI25~30。170cmの方であれば体重72kgでBMIは約25、85kgでBMIは約29.4となります。
このゾーンをキープするためのコツは、「自分のベスト体重を自分で決める」ことです。「75kgのときが一番調子がいい」と感じるなら、それをご自身の標準体重として設定してみてください。
体重がそれを下回りそうになったら意識してこってりした食事を取り入れ、上回りすぎたら少し散歩の距離を伸ばす。医師や世間の基準値ではなく、ご自身の体感を大切にしていただきたいのです。
なお、「太りすぎのデッドライン」はBMI35、身長170cmであれば体重101kg超のあたりです。ここを超えると膝や腰への物理的な負担が大きくなり、歩行困難になるリスクも出てきます。
逆に言えば、それ以下であれば「やせているリスク」より「太っているメリット」が上回ることの方が多いのです。
なぜ日本人は「やせ信仰」に縛られてきたのか
これほどのデータが存在するのに、なぜ「やせ=健康」という考えはこれほど根強いのでしょうか。その発端は1980年代のアメリカにあります。当時、肥満とコレステロールが心筋梗塞の主犯とされ、国家レベルでの「脂肪追放運動」が始まりました。
現在もアメリカでは成人の4割以上(約40.3%)がBMI30以上の肥満に該当し、死因トップが心臓病(特に心筋梗塞)という状況です。そのような国では、国を挙げて肥満対策に取り組むことには合理的な理由があります。







