「昔はカルビをお腹いっぱい食べられたのに、最近は脂っこいものが受けつけなくなった」「あっさりしたそばやうどんばかり食べている」――そんな変化を「年をとったのだから仕方ない」と受け入れてしまわないでください。食が細くなることを放置するのは、心身の活力を少しずつ手放すことにつながります。
食欲の低下は、すべての意欲の低下にもつながります。人間の脳の中で意欲や創造性を司る前頭葉は、加齢とともに萎縮しやすい部位です。前頭葉が衰えると「面倒くさい」が口癖になり、出不精になり、人づき合いもおっくうになっていきます。
逆に言えば、おいしいものを食べて「うまい!」と感動し、「次はあそこの店に行きたい」と計画を立てることは、前頭葉を刺激する立派なトレーニングになるのです。
「太った?」と言われたら、ほめ言葉と受け取りましょう
久しぶりに会った友人に「あれ、ちょっと太った?」と言われたら、どう感じますか? 思わず「節制しなきゃ」と焦ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし60代を過ぎてからの「太った?」は、「生命力にあふれていますね」「若々しいですね」という最高のほめ言葉として受け取っていただきたいのです。
年齢を重ねると消化吸収能力が落ち、食も細くなるのが自然の流れです。放っておけば、体は勝手に枯れてやせていきます。そんな中で太ることができたというのは、内臓が元気に働き、栄養をしっかり吸収し、体にエネルギーを蓄える力があるという、何よりの証明なのです。
「太った?」と言われたら、劣等感を持つ必要はまったくありません。「最近、調子がいいんですよ」と、どうか自信を持って返してあげてください。
医師や国の基準を一律に信じ込んで、ご自身の首を絞める必要はありません。日本人の体質、そしてご自身の年齢に合った「戦略」を選び取ることが、65歳からの賢い健康管理の第一歩です。








