そもそもどこから好ましくないインフレが始まったのかというと、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)です。この感染拡大によって、本来あった「ものを買う」行為がなくなってしまいました。例えば飲食や旅行がそうですよね。

 でも今は新型コロナへの対策がほぼ終わり、旅行や飲食も通常通りできるようになっています。そしてそれらへの需要が一気に噴き出て「リベンジ消費」も起きました。新型コロナによってお金を使う機会を奪われてきたので、制限がなくなった途端に、みんなが一斉にお金を使うようになりましたね。言ってみれば特需が起きていて、それによって需要が増えたから急に物価も上がってしまったのです。

 でもリベンジ消費は瞬間的なもので、そう長続きしないと思われていました。みんなの購買欲が落ち着けば、物価も元に戻るだろうと考えられていたのです。ところが、このタイミングで予期せぬことが起きてしまいました。ロシアのウクライナ侵攻です。

エネルギー価格の上昇が
物価を軒並み押し上げる

 ロシアとウクライナの戦争は、地理的に見れば日本にはあまり関係ないように思えますよね。でも、経済的な面で、かなり大きな影響を受けることになってしまいました。もはや、ロシアとウクライナだけの話ではなくなってしまったのです。

 その理由を説明しましょう。まず、欧米や日本などの西側諸国はロシアが仕掛けた戦争に反対をしました。でも戦闘をするわけにはいかないので、経済制裁をしましたよね。「もうロシアからは輸入をしない!」と決めたのです。ロシアは輸出ができなくなるので、お金が入ってこなくなってしまいますから、国の財政が圧迫されます。つまりこの制裁は、お金で相手を困らせるイメージです。

 でも、ロシアから輸入できないと困る国もたくさんあります。

 実は、ヨーロッパの国々はロシアから原油や天然ガスを輸入しているので、ストップしてしまうと生活に支障が出てしまうのです。ロシアを苦しめようと思ってやったことですが、自分たちにも大きな影響があったというわけですね。