1つ目は、「自分の成長のためにやる」という「熟達目標志向」です。純粋にスキルを身につけたい、できるようになりたいという内発的な動機に基づいています。 

 2つ目は、「周囲に認められたい」「良い評価を得たい」という「遂行接近目標志向」です。「これに挑戦したら褒められるかもしれない」という、他者からの肯定的な評価を求めるタイプです。 

 そして3つ目が、最も問題となる「遂行回避目標志向」です。これは「否定的な評価を避けたい」という動機で動くタイプです。

 仕事ができない人の多くは、この3つ目の「遂行回避目標志向」に陥っています。彼らの行動原理は「成功したい」ではなく、「失敗したくない」「無能だと思われたくない」という恐怖に支配されています。評価されることをあまりにも気にしすぎているのです。

「言い訳」が
成長を止める

「遂行回避目標志向」の弊害として、最たるものは失敗を恐れるあまり挑戦しなくなることです。

 そして万が一失敗したときには、「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれる行動をとります。

 セルフ・ハンディキャッピングとは、失敗の原因が自分の能力不足ではないと信じようとする行動のことです。失敗につながるハンディキャップがあるように振る舞ったり、失敗の原因を外部や他者に求めたりします。例えば「自分には適性がなかった」「想定外のハプニングが起きたせいだ」と言い訳をするのです。

 そうすることで、傷つきやすい自尊心(プライド)を守ろうとします。

 しかし、ここに大きな落とし穴があります。失敗の原因を「適性がない」ことや「外部環境」のせいにしてしまうと、「自分に何が足りなかったのか」「どうすればできるようになるのか」という内省を行わなくなります。その結果、本来その失敗から得られるはずだった知識やスキルの習得ができなくなり、成長が完全に止まってしまうのです。

 さらに悪いことに、一度「自分には適性がない」と思い込むと、自分が本来持っている良さや培ってきたスキルまで忘れ、自尊感情や自己肯定感を失う「負のループ」に陥ってしまいます。結果として「能力がなくて仕事ができない人」になってしまう。これが残念な思考グセの正体です。

「能力は変わらない」と信じる
硬直マインドセット

 もう1つの思考グセが、「フィックスト・マインドセット(硬直マインドセット)」です。