残りは「計画的処理」に回されましたが、処理費用が各部門の業績に織り込まれたため、処理は進みませんでした。

 最終的な通期営業利益は1001億円――“約束”通り1000億円を上回る数字となったのです。

 なお、第三者委員会の調査はまだ続いており、過年度の財務数値の修正額はまだ確定していません。今後、のれんや固定資産の減損検討も必要となりますが、主に車載事業に関連して、その検討対象となる資産の金額だけで約2500億円規模に上ることが見込まれています。

「恥を知るべきだ!」
幹部宛てのメールに並んだ時代錯誤な“檄文”

 第三者委員会の報告書が読む者の心をえぐるのは、会計不正の手口だけではありません。永守氏のパワーハラスメントの実態が、メールや会議の録音データといった動かぬ証拠とともに白日の下にさらされているのです。

 例えば、CFOに対して永守氏が送ったメールには、現代のビジネスシーンでは到底信じられないような過激な言葉が並んでいました。

「現在の君の醜態は君の怠慢たる人間性が主因だと思うがな!恥を知るべきだ!」

「死ぬ気で結果を出していってほしい。全てはQ3結果で決まるだろう」

 こうしたメールのCCには、他の多数の経営幹部が含まれている場合も少なくなかったといいます。

 こうしたメールは平日だけでなく休日にも飛んできます。永守氏は、休日の昼に多数の幹部に送った檄文に対し、「直ちに返事を返してくる人物と、月曜日に会社にきてから勤務時間内でしか返事を返してこない人物との差が大企業病にかかっているかどうかを診断出来るのである。[略]やる気にない幹部は、一日も早く日本電産グループを去って貰いたい」(原文ママ)と記しています。

 もしあなたが、休日に家族と遊園地でパレードを待っているときに、スマートフォンの画面に社長からこんな長文メールが届いたらどうでしょう。一瞬にして血の気が引き、生きた心地がしないはずです。