なお、積極的に逃亡に加担したという場合は犯人隠避罪等の共犯と認定される可能性はありますが、それは身元引受書の法律効果によるものではありません(身元引受書を提出していなくても犯罪は成立します)。
身元引受人となるのは、通常は、配偶者・親などの親族であることが多いですが、頼れる親族がいない場合は、勤務先の上司等が身元引受人となる場合もあります。
部下の身元引受人になるかどうかは
上司個人ではなく会社が判断するべき
当該被告人に頼れる親族がいない場合は、弁護人から勤務先の上司等に身元引受人になるよう依頼がされることがあります。
このような依頼があった場合には、基本的には、当該上司の個人の判断に任せるのではなく、会社としてどのように対応すべきかを決めるべきでしょう。(ただし、身元引受人の性質上、最終的には当該上司の意思も尊重する必要がありますので、その意思を無視して、業務命令として身元引受人になるよう命じることは難しいでしょう)。
では、どのような点を考慮して判断するかについてですが、まず、身元引受人は、先述のとおり、被告人を監督・監視できるということが前提です。したがって、当該被告人を保釈後に継続して働かせることを予定していない場合は、監督・監視の前提を欠くことになりますので、身元引受人になるべきではありません。
また、身元引受人になるということは、今後も当該被告人を従業員として雇用を継続するという会社としての意思表示ともいえますので、仮に後に当該犯罪を理由とした懲戒解雇をした場合、会社の上司が身元引受人になったことが解雇と矛盾する対応であるとして、解雇の効力を争われたときに会社に不利な材料となる可能性があります。
したがって、懲戒解雇等の処分が予定され、引き続き雇用する予定がない場合はもちろんのこと、引き続き雇用するか否かや、懲戒処分の内容が決まっていないような場合も、身元引受人になるべきではないでしょう。
また、雇用継続を予定している場合においても、在宅勤務や出張が多い業種の場合には、監視・監督することは難しいでしょうから身元引受人にならないことが相当でしょう。







