Q3.iDeCoでは低コストのインデックス型投資信託(信託報酬0.06%)で運用しています。勤務先の企業型DCの商品は0.2%程度です。移換すべきでしょうか?
A3.移換の可否は、「コスト」と「手間」の両面から総合的に判断することが大切です。
(1)コスト面
iDeCoの口座管理料は本人負担です。企業型DCの口座管理料は会社が払ってくれているので企業型にまとめてしまえば、本人負担はありません。ただし、ネット証券で契約している場合は、移換時に手数料4400円(残高のみの口座管理料約6年分に相当する額)がかかります。
一方、投資信託の信託報酬は残高とラインナップされている投資信託の信託報酬率に応じて負担額が変わります。iDeCoの資産額がそれほど大きくない場合は、大した差にはならないと思いますが、資産が多い場合には、企業型DCでラインナップの中で、iDeCoの資産を移そうと考えている商品の信託報酬をチェックし、年間負担額にどれほどの差があるか確認することをお勧めします。
コストの面から言えば、遠くない将来に転職などによってiDeCoに戻る可能性もあるのであれば、iDeCoの資産はそのまま置いておくというのが候補になろうかと思います。
(2)手間
iDeCoに資産を移す手続きは、勤務先の企業型DCの担当部署に「移換依頼書」を提出するだけです。iDeCoの資産を売却し、企業型DCの口座に移す手続きは、データ管理をしている運営管理機関や資産を管理している資産管理機関などが連携して自動的に行ってくれます。
iDeCoの資産売却は事務スケジュールに則って行われるので、たまたまマーケットが悪い日に当たると資産額が減る可能性があります。儲かっている投資信託などは予めをご自身で売却し預金に預け替えしておくと、移換額が想定外に少なくなるリスクを避けられます。
iDeCoに資産を残す場合の手間は、2つの口座管理で運用管理を続けるということになります。また、将来受け取る際には、口座ごとに給付申請手続きが必要になりますので、2カ所に受け取り手続きすることになります。
移換はいつでもできますので、判断は焦らず、まずはマッチングでの積み立てをスタートしてはいかがでしょうか。
インフレ時代の老後設計において、企業型DCは“使い方次第でより頼りがいのある制度”になります。今回の制度改正を、自分の資産を守り育てるきっかけにしていただければと思います。
なお、iDeCoについては2027年1月拠出分から限度額と加入可能年齢の引き上げが予定されています。この点についても、改めて詳しく解説してまいります。







