2日で約8900億円の弾薬を消費、焦るトランプ氏

 イラン戦争開戦時、トランプ氏は「主な作戦は4~5週間で終わる」と発言していた。米国には戦争権限法というものがあり、大統領が議会承認なしに米軍を敵対行為に投入できる期間を原則60日と定めている。トランプ氏は同法を念頭に置いた可能性がある。

 3月9日には「戦争は非常に短期に(very soon)終わる」と発言。世界の投資家に楽観を与えた。翌10日には、共和党議員に「かなり早く(pretty quickly)終わる」と伝え、「イランのミサイル発射装置の約80%を破壊した」とも主張したようだ。さらに11日、「いつでも私が望めば終わる」との見解を表明した。

 その一方でトランプ氏は、それらの発言と異なる見解、例えば11日には、「追加で3~4週間の戦闘継続を考えている」と身近な関係者に伝えたと報じられている。

 12日、対抗するイランのモジタバ・ハメネイ師は、ホルムズ海峡の封鎖を継続すると声明を発表。船舶への攻撃、湾岸諸国のLNGや原油関連施設への攻撃も続いた。トランプ氏の表向きの発言と、実際の戦闘状況に整合性は見いだしづらい。むしろ「真逆だ」との指摘すらある。

 トランプ氏とイスラエルのネタニヤフ首相にとって、イランの抵抗は想定以上に強固だろう。戦闘開始から2日間だけで、米軍は56億ドル(約8900億円)の弾薬を消費したと報じられた。国防総省が議会に報告した1週間の戦費(約60億ドル)を上回っている。

 米軍は、韓国に配備した地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を中東諸国に搬出するようだ。イランの安価なドローン攻撃を防ぐため、中東に配備したトマホーク、パトリオットミサイルの在庫が減少していることへの対応措置とみられる。

 トランプ氏の強弁は、戦闘の終結が容易ではなく、長期化リスクが高いことの裏返しとも解釈できる。トランプ氏は、「原油価格よりもイランの核保有阻止が目的だ」とも発言しているが、原油価格上昇に焦り、かなりの危機感を持っているだろう。