イランはガソリン価格が米国の弱点だと理解している
危機感の一つは、ガソリン価格の上昇だ。自動車大国である米国では、ガソリン価格は家計の負担増加に直結する。3月14日時点で、全米平均のレギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3.675ドル(約586円)に上昇した。
州によっては4ドルを突破した。アリゾナ州では4.2ドル台、カリフォルニア州は5.4ドル台に上昇した。
イランはガソリン価格が米国の弱点であることを理解している。米国民にとって、ガソリン価格が1ガロン当たり4ドルを超えるのは重要な分水嶺だ。米国自動車協会の調査では、ガソリン価格が4ドルを超えると市民の59%が「運転の頻度やライフスタイルを変更する」と回答。5ドルに達した場合だと75%が「運転頻度を減らす」という。
連邦道路管理局は、4ドルを超えると「単独での自動車通勤を減らす人が増える」と分析している。また、米国の経済学者が共同で行った研究では、ガソリン価格が1ドル上昇した場合、家計の1カ月間の食料品購入金額が平均で約17ドル、約4.4%減少するという。
こうした悪影響は少しずつ顕在化している。特に、低所得層に打撃だ。年初以降、トランプ関税のコストを販売価格に転嫁する企業は増え、個人消費の勢いは鈍化している。
戦費拡大は連邦財政の悪化につながる。さらにエネルギー資源や肥料、基礎資材などの価格上昇も加わると、金利に上昇圧力がかかりやすくなる。金利上昇は、株価の下落、住宅、カード、自動車、学生ローンの焦げ付き増加につながり、米国経済の下振れリスクを高める。
米国内のある世論調査では、イラン戦争に「賛成」と答えた割合は27%しかなかった。3月上旬には複数の世論調査で、トランプ大統領の支持率が37%ほどに低下した。イラン戦争が長引くと、ガソリン価格が上昇し、支持率は一段と低下するだろう。







