IT業界は60歳を過ぎても年収1000万円以上が維持できることもあるため、うらやましい業界と言えます。

 生産ライン向けソフトウェアの設計者だったUさんは、担当していた取引先に自ら交渉し、定年後はそちらに転職しました。70歳近くなった今でも設計の仕事をしています。

 Uさんが自ら交渉したのがミソで、おおいに参考にしたいところです。そのおかげで現役時代の顧客に対して、同じ仕事ができる道を切り拓きました。

 この「交渉」を億劫に感じる人もいるかもしれませんが、自社内で人事や上司と交渉して、再雇用の仕事内容を自分の希望に沿うようにした人もたくさんいます。その選択肢をぜひ念頭に入れておいてください。

 また、「ツテ」に近い方法として、取引先や友人、知人で「自分のスキルや経験に興味を持ってくれそうな企業」を知っていそうな人に尋ねる方法があります。自分でゼロから対象企業を見つけるよりも確実だと思います。

 10人に聞けば、なんらかの候補が出てくるのではないでしょうか。特に営業畑の人は自分を売り込む営業だと思えば、ためらわずに声をかけられるはずです。

 Vさんは65歳で中堅の商社の役員を退任し、知人に声をかけ、取引先に営業顧問として迎えられました。業界に顔が広いVさんの人脈が魅力的だったようで、70歳を超えた現在もその仕事を続けています。

誰でも使える転職の裏技
中小企業のトップをねらえ

 さて、ここで「天下り」でも「ツテ」でもなく、転職エージェントにも頼らない、シニア転職の「土俵選び」を伝授しましょう。これまでの業務で様々な企業や組織とやりとりする機会がなかった人、自分の業界以外の知見を得られる機会のなかった人も多いと思いますが、その人たちにおすすめの方法です。

 シニア転職では即戦力が求められます。まず、あなたのスキルや経験が活かせそうな業界や企業を推測するのに、生成AIを活用してください。AIで“壁打ち”すると、意外と有益なアドバイスが得られます。