1000円カットの営業スタイルは
「牛丼チェーン店」と同じ!?

 筆者は、このような1000円カットの営業スタイルを「牛丼チェーン店の理美容室版」だと考えています。サクッと散髪を済ませたいお客様にとって、非常に便利なサービスだからです。

 ただし、このスタイルで働く理美容師は、仕事の性質上、どうしても施術の精度が粗くなってしまう場合があります。

 というのも、ほとんどの理美容師は時間をかけて丁寧に施術すれば、ある程度きれいに仕上げることができます。しかし、1000円カットでは一人のお客様に長い時間をかけるわけにはいきません。短時間で仕上げることが前提となるため、結果として個々の技量の差が表れやすくなるのです。

 また、先ほど1000円カットを「牛丼チェーン店」と表現したものの、カットは牛丼のように“作り置き”ができず、商品のクオリティを均一に揃えることもできません。

 1000円カットでは指名や予約ができないこともあり、誰が担当するかは運次第。カットの仕上がりは担当する理美容師によって左右されます。必ずしも「早い・安い・美味い(上手い)」とは限らないのです。

 これらが、1000円カットで「変な髪型」になってしまう主な要因です。

 こう書くと、1000円カットにネガティブな印象を持つ読者もいるかもしれませんが、「技術力に乏しい理美容師しかいない」と一概に言い切れるわけではありません。実際には、腕のいい理美容師も数多く在籍しています。

 業界内では「有名な美容師が所属している」といった話を聞くこともあります。上手な方の在籍する店舗が有名店になる例もあるそうです。

 なぜ、スキルの高い理美容師が、あえて1000円カットで働くのでしょうか。その背景には、理美容業界の待遇や雇用条件があります。