驚異の「原価率改善」が語る、効率の正体
バローの2025年3月期中間連結決算(4~9月)を見ると、その好調ぶりは数字に如実にあらわれている。売上高は前年同期比6.88%増の4365億円。特筆すべきは営業利益の伸長率、34.64%増という驚異的な伸びである。
その原動力は、売上原価率の改善にある。計算すると、原価率は前年同期の73.6%から72.7%へと、約0.9ポイント改善した。金額ベースでは約37億円もの原価改善に成功しており、これが営業利益増加額(36億円)のほぼ全額をカバーしている計算になる。
この数字がいかに「異例」か。昨今のコスト環境を鑑みれば明白だ。
総務省の消費者物価指数では電気代が前年比7~9%程度上昇し、物流関連団体等の調査でも運賃等は5~10%の増加傾向にある。「販管費を押し上げる逆風」を真正面から受けながら、売上原価率を下げて利益を捻出できた要因こそ、バローが徹底する「SKU(品目数)の絞り込み」と「ロスの極小化」にある。
「20尺以上の鮮魚売り場」が隠し持つ戦略の核心
バローの現場、特に横浜下永谷店の鮮魚売り場には、独自の美学と冷徹な計算が貫かれている。通常のスーパーが鮮魚に割く売り場が8~10尺(約2.4~3メートル)程度であるのに対し、同店は20尺(約6メートル超)以上という圧倒的な規模を誇る。しかし、興味深いのはその「中身」だ。
先行してオープンした尼崎潮江店と比較すると、横浜下永谷店は売り場面積が約1.4倍であるにもかかわらず、SKU数はほぼ同等、あるいはそれ以下に絞り込まれている。つまり、同じ商品で売り場の「面」を広げ、圧倒的なボリューム感を演出しているのだ。品目を無闇に広げず、面で売る。これには2つの大きな戦略的意図がある。
第1に、オペレーションの極限までの効率化だ。多品種少量生産による煩雑な作業を排除し、浮いたリソースを「魚屋の鮨」や「八百屋の生フルーツデザート」といった、バローが注力する高付加価値商品の店内加工に集中させる。
実際、これらの導入店舗は期初の16店舗から中間期末には46店舗へと急拡大しており、全店売上を8.5%押し上げる要因となったとされる(2026年3月期 第2四半期決算短信より)。







