また、バローは人件費を惜しんでいるわけではない。むしろ賃上げを含め必要なコストはかけている。しかし、「無理・無駄・ムラ」を徹底的に排除したオペレーションと、他社を圧倒する回転数(売上)を叩き出すことで、人件費率を抑制しつつ、高い粗利を確保する構造を確立している。
物流網の完成が「真の戦い」の始まり
現在はまだ、関東エリアにおける自社物流センターやプロセスセンターが本格稼働していない。つまり、遠方の既存センターからの配送や、店舗スタッフの「磨き込み」という属人的な努力に依拠した部分が大きい。
今後、関東の物流網が整備され、製造・配送のエンジンがバローの本来のスペックで稼働したとき、その攻勢はさらに激しさを増すだろう。横浜での成功を足掛かりに、東京圏への本格出店が加速すれば、既存の関東勢はかつてない脅威にさらされることは間違いない。
「遠くても買いに行きたい」と思わせる部門の磨き込みと、その裏側に潜む冷徹なまでの効率化。バローのデスティネーション戦略は、もはや飽和状態と言われる日本のスーパーマーケット業界において、「勝利の方程式」を再定義しようとしている。1兆円企業への道筋は、この横浜の渋滞の先に、はっきりと見えている。







