反対に、承認欲求を自己のコントロール下に置いている人は、次のように発言する。
・上司をうならせるような仕事をしよう
・地味な仕事こそ、大事にすることが自分のためになる
・見ている人がいないときこそ、自分が自由にできるチャンスだ
・私は彼を信頼しているから、私に相談するかどうかは彼に委ねよう
・彼の実力が上だったということか。頑張ろう
当然、このような考え方のほうが実力はつく。実力がつけば、認めてくれる人は自然に増える。
人からうらやましがられたり、褒められたりすることに頓着しないことが、結果的に人の評価を受ける。
また、彼らは積み上げてきた自信や「自分のなかの評価尺度」があるので、他者の評価、賞賛を「参考意見」ととらえる。
それゆえ、まわりの人間は彼と適度な距離を保つことができ、彼は「付き合いやすい人間」と感じてもらえる。
逆に、承認欲求の強すぎる人は、「何でオレを褒めないんだ!」「頑張ったのに、認めないのか!」とつねに不満を抱える。
『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』(安達裕哉、日本実業出版社)
もちろん、彼らをなだめるために大人の対応をする人もいるが、彼らの相手をするのは面倒なため、徐々にまわりは彼らを相手にしなくなり、彼らはますます孤立する。当然、実力もつかない。
アドラー心理学では、承認欲求について次のように述べている。
《他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。つまり、自由になれない。――『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健/ダイヤモンド社》
逆説的ではあるが、認められたい人ほど認められず、評価を気にしない人ほど認められる結果となる。
「承認欲求」を必要としない人ほど、逆に他者から承認され、それを求める人ほど孤立してしまう。
人間関係とは、誠に皮肉なものだ。







