「小さな権限」から渡し
報連相をプロセスに組み込む
「問い」によって思考が動き出したら、次に必要なのは「打席に立たせること」です。
ここで参考にしたいのが、シリコンバレーの著名な投資家であるキース・ラボア氏が提唱する「権限委譲(デレゲーション)」のフレームワークです。彼は、そのタスクが失敗した時の「ビジネスへの影響度」と、上司自身の「確信度」の2軸で任せ方を判断すべきだと説いています。
若手やシニアの主体性を取り戻すためにマネジャーが取るべき戦略は、「失敗しても致命傷にならない領域を見定め、そこから決定権を与え任せる」ことです。
若手には、企画の一部や会議の進行など、小さな単位で「自分で決めて動かす手応え」を味わわせます。シニア層には、 特定の専門領域における「最終判断」を仰ぎ、プロとしての自律性を再認識してもらうと良いでしょう。
ここで最も重要なポイントは、「任せきること(デレゲーション)」であり、「丸投げ(放棄)」にしないことです。そして、前述の通り「ビジネスにおいて致命的ではない領域」から慎重に設計することです。
写真はイメージです Photo:PIXTA
例えば、若手がよく会社忘年会の幹事を任されることが多いのは、そういうことかもしれません。
「この件は、あなたの判断を尊重する。ただし、何かあったら最終責任は私が取るから、進捗だけは共有してほしい」
この「セーフティーネットの宣言+報連相の設計」があるからこそ、部下は「指示」という防波堤を越えて、自ら未知の一歩を踏み出せるようになります。
また報連相をプロセスに組み込むことで上司側も「あれどうなってるの?」とモヤモヤすることもなく、また必要に応じて軌道修正を支援することもできます。そのプロセス設計こそが、人的資本を最大化させる土壌となります。







