部下への向き合い方を変えれば、
自分の仕事がラクになる
ここまで「部下への向き合い方」をお伝えしてきましたが、正直なところ、現場のマネジャーの皆さまからはこんな声が聞こえてきそうです。
「部下に寄り添え、価値観を理解せよ、と言われても、自分だって精一杯だ」「上司にばかり歩み寄りを求めるのは酷ではないか」と。
その通りだと思います。今の時代のマネジャーは、自身の目標達成に加え、多様な価値観を持つ部下のケアまで求められる、かつてないほど「タフな役割」を担わされています。上司ばかりに過度な負担を強いるのは、あまりにも酷なことです。
だからこそ、今回ご紹介した「問い」や「小さな権限委譲」は、部下のためだけではなく、上司自身を「自由」にするための技術でもあります。
部下が自律的に動き出せば、これまであなたが背負い込んできた「全ての決定」や「細かな進捗管理」という重荷を、少しずつ手放していくことができます。 部下に「ハンドルを渡す」ことは、あなたが「助手席で景色を見る(=より高い視点での仕事に集中する)余裕」を手に入れるプロセスでもあるのです。
部下を動かすことは、一朝一夕にはいきません。まずは、明日の1on1で、ほんの1つだけ「問い」を投げてみる。あるいは、失敗しても会社が傾かない程度の小さな仕事を、目を閉じて任せてみる。そんな「小さな実験」から始めてみてください。
完璧な上司である必要はありません。あなたが部下の可能性を信じて一歩引くことが、結果として強い組織を作り、あなた自身の心の余白を生み出すはずです。
人的資本経営の主役は部下だけではありません。現場を支える皆さま自身もまた、生き生きと輝くべき大切な「資本」なのです。







