暴力団の男に銃殺された
長崎市長の伊藤一長

 政治家では、大きな全国ニュースになった人物がいる。長崎市長を務めていた伊藤一長で、4選を目指す市長選期間中の07年4月に暴力団の男に銃撃され死亡した。伊藤は長崎西高校―早稲田大政経学部卒で、高校時代から将来、長崎市長になることを目指していたという。被爆地の市長として核兵器の撤廃運動を積極的に行ってきた。

 伊藤の前任の長崎市長も90年に銃撃されているが、一命は取り留めている。

 もう一人の話題の人物は、衆院議員を1期だけ務めた福田衣里子(えりこ)だ。C型肝炎ウイルスの感染者として実名を公表し、薬害肝炎九州訴訟原告団代表になり、メディアに登場するなど精力的に活動した。

 09年の衆院選で長崎2区から民主党(当時)公認で立候補し、28歳で初当選した。09年秋の臨時国会で肝炎対策基本法が成立し、先頭に立った福田の行動が結実した。12年の衆院選では未来の党から比例近畿ブロック単独で出馬したが、落選した。落選後、政界を引退した。

 田浦直は皮膚科医で、自民党所属の参院議員を2期、務めた。25年5月に死去した。

「官」では、大蔵官僚出身で国税庁長官の後、内閣官房副長官補に就いた古谷一之が卒業生だ。20年9月~25年5月、公正取引委員会委員長を務めた。

 三谷浩は建設事務次官を務めた。退官後、首都高速道路公団理事長を務めた。

 法曹界では、日本弁護士連合会事務総長として90年代の司法改革に邁進(まいしん)した弁護士の寺井一弘がOBだ。日本司法支援センター(法テラス)の理事長も務めた。25年1月に死去した。

長崎原爆資料館の元館長で
芥川賞作家の青来有一

 文芸の分野で活躍している卒業生では、長崎を舞台にした作品が多い芥川賞作家の青来(せいらい)有一がいる。芥川賞の候補に4度もなり、5度目の01年に『聖水』で受賞した。07年には長崎を舞台にした連作集『爆心』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞した。

 青来は爆心地から3km以内で育った。長崎大教育学部卒業後、長崎市役所に勤めながら作家活動を続けた。05年に市平和推進室長、10年から19年までの約8年半、長崎原爆資料館長を務めた。18年には、米国のトランプ大統領が長崎原爆資料館を訪問して核被害と対峙する姿を描いた小説『フェイクコメディ』を発表した。

 女性作家では高瀬千図がいる。84年に『イチの朝』で芥川賞候補になった。さらに芥川賞候補、三島由紀夫賞候補になったが、受賞には至らなかった。能の愛好者として知られ、パリ公演などをプロデュースした。

 漫画家では柴田亜美がOGだ。少女漫画、エッセイ漫画を得意とする。