手を動かすだけでは生き残れない
求められるコンサルの役割は?

(1)AIを自分自身が使ったことがあるか

 現在のコンサル業界では、AIは一部の専門家だけが扱うものではなくなっている。AIを使った提案が当たり前になったことで、「自分自身が使ったことがあるかどうか」が重要になっている。実際に使っていないと、顧客に対して説得力のある提案は難しい。そのため、日常業務の中でAIを活用することが強く求められている。

 一方で、AIは変化のスピードが非常に速く、特定の資格や知識だけでは対応しきれない。これも、人材要件が変わってきた理由の一つだ。

(2)大切な「学び続ける姿勢」

 現場で重視されているのは、特定の専門知識というよりも、「新しいものをキャッチアップし続ける力」だ。社内では、AIの活用事例や新しいツールの情報が日々共有されており、それを自分の仕事にどう活かすかが問われる。

 そのため、「新しい情報に興味を持てるか」「自分で試してみようと思えるか」「学び続けられるか」といった姿勢が、これまで以上に重要になっている。

(3)「方向」を示せるか

 AIの中でも特に注目されているのが「AIエージェント」と呼ばれる仕組みだ。これは、人に代わって自律的に業務を進めるAIのことで、業務効率化の分野で急速に広がっている。

 例えば、これまで人が行っていたリサーチや資料作成、さらにはマーケティング戦略の立案まで、AIが担うケースが増えている。実際には、AIが複数の案を出し、人間はそれを評価・修正するという役割に変わりつつある。これにより、数カ月かかっていた業務が1週間程度で終わることも珍しくなくなってきた。

 こうした変化によって、コンサルタントの役割は「手を動かす人」から「方向を示す人」へとシフトしている。

(4)「どう価値を出すか」を常に考えられるか

 業界の変化は、働き方やキャリアにも影響している。最近では、クライアント企業に出向したり、合弁会社の立ち上げに関わったりと、より事業に深く関与する機会が増えている。また、業界自体が拡大していることもあり、転職の選択肢も多様化している。コンサルから事業会社に移るだけでなく、コンサル同士の移動も増えている。

 そんな中、トップレベルで活躍している人たちには、いくつかの共通点がある。まず、「学び続ける力が非常に高い」こと。そして、顧客や社会に対して「どう価値を出すか」を常に考えている点だ。

 さらに、「何を解決したいのか」という軸をしっかり持っていることも特徴的だ。AIの時代では、ツールそのものよりも、課題設定の質が重要になるためである。

 コンサル業界はAIの普及によって大きな転換期を迎えている。これから求められるのは、特定のスキルを持っている人というよりも、新しい変化に柔軟に対応できる人、学び続けられる人、課題を考え抜ける人だといえるだろう。

 AIができることが増えるほど、人に求められる役割はより本質的なものになる。コンサルタントという仕事は、むしろ「考える力」を武器にする職種へと進化していくのかもしれない。

(リクルートエージェント コンサルタント<コンサル領域担当> 神田拓郎氏への取材を基に編集チームが構成)

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