3月8日、米軍とイスラエル軍の攻撃を受けて炎上するイランの首都テヘランの石油貯蔵施設。イラン戦争の長期化による世界経済の減速リスクが懸念されている Photo:Anadolu/gettyimages
イラン戦争と原油高は世界経済を減速させると見込まれ、日本経済への悪影響も懸念されている。前日本銀行総裁の黒田東彦氏が執筆するダイヤモンド・オンラインの連載『黒田東彦の世界と経済の読み解き方』の今回のテーマは、「経済ショックと日本」。海外発の経済ショックに繰り返し翻弄されてきた教訓から、日本はどう備えるべきかを考える。
中東情勢混乱と原油高止まりリスク
日本を繰り返し襲った海外発の経済ショック
イラン戦争とそれに伴う原油高によって、日本経済の減速が懸念されている。中には、1970年代の石油ショックになぞらえて警鐘を鳴らす論説もある。
日本銀行が政策金利の現状維持を決めた4月の金融政策決定会合でも、「中東情勢を巡る混乱が長期化し、原油価格が高止まりすることで、交易条件の悪化などのマイナスの影響が想定以上に大きくなるリスクがある」と展望レポートで指摘している。
第2次世界大戦後の日本経済について、4月21日配信の寄稿で解説した(参照『黒田東彦が6つの時代で考える「戦後の日本経済」、イラン戦争は今後の日本経済にどう影響するのか』)。
イラン戦争に限らず、日本経済はこれまで過去半世紀にわたって、米国など海外発のショックにさらされてきた。今回は代表的な11の経済ショックを踏まえ、日本がどう備えるべきかを考えてみたい。
ニクソンショック(1971年)
1971年8月のニクソンショックにより、55年から年10%の日本の高度経済成長を支えてきた1ドル=360円の固定相場が崩壊。円高の進行とともに、成長率は年5%程度に半減していった。
石油ショック(1973、79年)
日本の高度経済成長を完全に止めたのが、73年の第1次石油ショックだった。第4次中東戦争で苦戦したイスラエルを米国が支援し、これに対抗してOPEC(石油輸出国機構)が石油価格を大幅に引き上げたことが発端である。
また、79年の第2次石油ショックは、ホメイニ師による革命で米国が支援していたイランのパフラヴィー皇帝が亡命し、石油メジャーの撤退などもあって石油減産が進んだところに、OPECがさらに石油価格を引き上げたことが原因であった。







