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イラン情勢次第で上にも下にも値動きが激しい日本株。正直なところ、専門家でも「分からん」相場が続いている。新年度相場に個人投資家はどう向き合うべきなのか。意外にも多くの個人投資家は「楽観ポジション」だが、それだけに逆の方向に向かったときのリスクは小さくない。他方、優良株の中には割安感が台頭しつつある企業も目立ち始めた。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、「分からん」ことが多い局面だけに、リスクに備えつつ、割安感が台頭しつつある新年度相場の主役候補を探すヒントをお届けする。(株式コメンテーター 岡村友哉)
「分からん」状態で取引が続く日本株
上にも下にも勝負をかけにくい状況が続く
日経平均株価が終値ベースの史上最高値を付けたのが2月27日。当時は6万円も目前……という雰囲気でしたが、翌28日に米国とイスラエルによるイランへの大規模攻撃が発生しました。
あれからすでに1カ月が経過。なかなか事態は収束せず今に至ります。
市場は「そろそろ終わるか?」と期待しながら見守っていましたが、中東情勢緊迫化によるリスクオフは想定より根深く、3月30日時点で日経平均株価は前月比で約7000円も下げています。
中東情勢の与える影響については、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長も日本銀行の植田和男総裁も「分からん」とさじを投げているわけで、当然ながら投資家もみんな「分からん」状態で取引する毎日です。
連日、イラン情勢が緊迫化したと見なされるニュースが流れれば原油価格が上がり、原油価格が上がると日本株は下がり、イラン情勢の好転に期待できるニュースが流れれば原油価格は下がり、原油価格が下がると日本株は上がる。それをとうとうと繰り返す“原油逆相関型”相場です。
ここからの日本経済にとっては、ホルムズ海峡の通航制限で中東からの原油供給が滞っていることが打撃となります。原油高は基本的には企業業績にマイナスとなるからです。
中東情勢が「分からん」だけに、4月後半から5月前半に発表される3月決算企業のガイダンスも慎重になるでしょう。ポジティブ決算の期待が後退するなら、積極的にはロング(買い)の姿勢になりにくいところです。
一方、時間の経過により、トランプ米大統領の姿勢に変化が出ることも想定されます。原油の高止まりで、ガソリン価格上昇によるストレスが米国内で高まっています。さすがにこれは中間選挙に向けて由々しき状況で、トランプ大統領が日和る“TACO”(Trump Always Chickens Out、トランプはいつもビビって逃げる)の発動も意識されるところです。
そうなると、ここからショート(空売り)で攻めるのも難しい。その結果、上にも下にも勝負をかけにくい状況になり、日々の値動きの荒さ(不安定さ)だけがトンデモナイことになっています。
「分からん」ことが多い足元の日本株。下落に備えつつも、インフレを考えると株を持った方がいい気もするし……、というところでしょう。個人投資家は新年度相場にどんな戦略で臨むべきなのでしょうか。
4月7日にはトランプ大統領が「イランへの攻撃を2週間停止する」と発表。新年度に入ったこともあり、ガラッと景色が変わる可能性があるものの、「分からん」ことが多いだけに、引き続き慎重な対応が必要だ。また、気になるのはいつもの急落時なら発生しているはずの「あれ」もまだなこと。次ページでは想定しておくべきリスクや、不透明な環境でも期待できる投資アイデアを解説。新年度特有の機関投資家の動きや、個人投資家のパニック売りでも負けにくい主役候補リストも紹介する。








