まず最初に経産省のレポートを解説します。
文系人材80万人の余剰というのは新卒ではなく、日本の労働人口に占める約1600万人の文系就業者の中での数字です。今後、AIとロボットの利活用が進む結果、職場の生産性向上で事務職を中心にこれまで文系人材が担ってきた仕事が5%ほど余るという予測です。
シンプルに考えれば職場の「働かないおじさん」に辞めてもらえれば若手人材は大丈夫に見えますが、ことはそう簡単ではありません。
そもそも日本の労働法規では従業員の解雇は簡単にはできないので、先に雇われている正社員の地位は、たとえ仕事が余剰になっても最初に守られます。
もうひとつ別の問題として、キャリアの長い社会人ほどAIでパワーアップしやすいという現実があります。
たとえば法務部に20年勤続する社員がAIで契約書をチェックすれば、契約の際に気を付けなければいけないとAIが指摘するポイントはすべて、瞬時に理解できます。一方で新入社員として配属された若手の場合は、AIの指摘が正しいかどうか自分では判断できません。
法務部に限らず、文系の職場ではAIの利活用に関しては中堅以上の社員が圧倒的に有利です。一方で新卒社員は教え込まないと戦力にはならないとなると、確かに人材余剰が発生する職場では文系の新卒採用が抑制される事態は起きるでしょう。
朗報!文系人材を救う
「新たな需要」
しかし、文系学生にとっては別の救いがあります。新しい売り手市場が出現するのです。
経産省のレポートによれば、2040年の未来において「AI、ロボットの利活用を担う人材(機械技術者やその他の情報処理通信技術者等)」が約340万人不足します。その不足は製造業や建設業でも起きますが、一方で小売り、サービス、物流など文系の職場も多く、その不足規模は120万人を超えます。
実際に人材が不足するのは東京のバカでかい本社ビルではなく、現場になるでしょう。これが東京(一都三県)で事務職が余って地方の現場人材が不足する構造です。
そして文系学生がこの「AI、ロボットの利活用を担う人材」になれるかどうかというと、実は簡単になれます。







