「勇翔2034」の
数値目標をアップデート
鉄道事業が堅調に推移する中、非鉄道事業はさらなる飛躍を狙う。非鉄道事業の営業収益は2018年度の約9638億円から2025年度は約1兆388億円と約749億円の増収だが、営業利益は約1444億円から2265億円へ約821億円の大幅な増益となった。
流通・サービス業は鉄道利用の増加に伴うエキナカ店舗の売り上げ増、不動産・ホテル業は不動産販売の増、高輪ゲートウェイシティ開業によるオフィス賃貸収入の増、ショッピングセンター・ホテルの売り上げ増が主要因だった。鉄道事業のウェイトが下がったことも一因だが、営業利益に占める非鉄道業の割合は30%から55%まで増加している。
同社は決算発表と同時に、昨年策定したグループ経営ビジョン「勇翔2034」の数値目標をアップデートし、2027年度の営業収益を従来計画比540億円増の3兆5180億円、営業利益を同30億円増の4880億円、2031年度の営業収益を同3000億円増の4.3兆円程度、営業利益を同500億円増の約7500億円に引き上げるとした。
「勇翔2034」数値目標のアップデート(JR東日本決算説明会資料から抜粋) 拡大画像表示
モビリティ中長期成長戦略・中長期ビジネス成長戦略の数値目標引き上げ(JR東日本決算説明会資料を加工) 拡大画像表示
モビリティ分野の中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」は従来、2031年度の営業収益を2024年度比2000億円の増収を目指すとしていたが、近年の旅客需要の増加とバス・車両製造部門の増収を反映して約3000億円へと上方修正した。
また、生活ソリューション分野の中長期ビジネス戦略「Beyond the Border」は、2033年度の営業収益と営業利益を2023年度比で2倍にするとしていたが、これを2031年度に2年前倒し、さらに営業収益の数値目標を1500億円、営業利益を1000億円上積みする。
これはインフレなどを考慮した各事業の成長率の見直し、不動産の回転ビジネスの加速、M&Aなどによる非連続な成長(飛躍的成長)によるものとしているが、同社に聞くと計画を策定した2024年の想定を上回る物価上昇を反映した部分が大きいようだ。
鉄道事業も物価や人件費上昇と無縁ではないが、現在の仕組みでは「赤字」になるまで値上げができないため、インフレ下では価格転嫁しやすい非鉄道事業に頼る必要がある。結果的に非鉄道事業のウェイトはますます高くなるだろう。
今年3月28日にグランドオープンした高輪ゲートウェイシティ、同日に開業した大井町トラックスで大型開発は一息ついた。今後は2027年3月開業予定の浜松町駅西口開発計画(共同事業)、2028年12月完成予定の船橋市場町社宅跡地(約4.5ヘクタール)の住宅・商業施設の再開発などが控えている。
船橋市場町社宅跡地開発計画(JR東日本決算説明会資料をもとに作成) 拡大画像表示







