企業として備えるべき
従業員を守る組織づくりとは
――カスハラに強い組織づくりのヒントを教えてください。
細井大輔(ほそい・だいすけ)/弁護士。2007年弁護士登録。日本で最も歴史のある渉外法律事務所・ブレークモア法律事務所にて企業法務を中心に取り組み、2016年に大阪・北浜にて「かける法律事務所」を設立(現在法人化)。企業法務・コンプライアンス・不祥事対応・知的財産・M&A・労務人事問題など幅広い分野を手がけ、企業の持続的成長を法務面から支援。コンプライアンス研修・ハラスメント予防研修の講師としての登壇実績も多数。
細井弁護士:企業としては、カスハラを“個別対応の問題”ではなく、“組織としてのリスク”として捉え、事前に対応体制を整備しておくことが重要です。厚生労働省の指針でも事業主には、
(1)方針の明確化
(2)対応ルールの整備
(3)相談体制の構築
(4)事後の適切な対応
(5)再発防止・抑止策の実施
といった一連の措置を講じることが求められています。
具体的には、まず「どこまで対応し、どこからは対応しないのか」という基準を明確にし、社内で共有します。そのうえで、対応マニュアルや研修を通じて、現場で迷わず判断できる状態を整えることが必要です。
また、相談窓口やエスカレーションルールを整備し、「一人で抱え込まない仕組み」を構築することが不可欠です。実際に問題が発生した場合には、事実関係の確認、被害者への配慮、必要に応じた警察・弁護士対応などを迅速に行います。
悪質なケースについては、警告文の送付、取引停止、法的措置なども含めた対応方針をあらかじめ定めておくことで、抑止力として機能します。
カスハラ対策は、従業員の安全確保だけでなく、離職防止や企業の信用維持にも直結する重要な経営課題です。継続的に見直しを行い、実効性のある体制を構築していくことが求められるでしょう。
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