原稿料や講演料、イベント出演料は、小説が売れたり、賞を獲ったりすると上がっていきます。私の実体験では、直木賞を獲ったタイミングで原稿料が大きく上がり、講演やイベントでも「直木賞作家」としての箔がつきました。書店での盛り上がりにおいては本屋大賞が隆盛ですが、芥川賞と直木賞の知名度とブランド力はいまだに抜群です。

映像化作品がヒットをしても
作家の実入りは変わらない

 アニメ・ドラマ・映画といった映像化では、印税は発生せずに固定の金額が支払われることが多いです。

 ドラマなら1話が10万~50万円で、ワンクールで総額200万~300万円の相場。よいもので500万円という話を聞きます。映画(邦画の実写作品)で聞くのは、100万~300万円の相場。よいもので700万円。

 印税方式ではないので、映像化作品がいくら売れても、作家の収入には直接的には影響しません。映像化サイドと出版社・著者の足並みを揃えて、映像化作品がヒットしている間にいかに原作を売り伸ばすかが勝負です。

 メディアミックスでは漫画化やアニメ化が結構期待でき、なぜならグッズには印税が発生するからです。二次元になって人気を得たキャラクターが、生みの親に大金を運んでくれる可能性があります。もちろん実写であっても、グッズが売れることはあるでしょう。

 漫画化は、漫画も強い出版社で小説を出すと、話が進みやすいです。『童の神』や『くらまし屋稼業』が小説とは違う出版社で漫画化した時よりも、講談社で出した『じんかん』や『イクサガミ』を同社で漫画化した時の方が、実現が早かったです。

 映像化は、Netflixで『イクサガミ』が実写化されたことで私も経験しましたが、外資のオファー金額は桁が違います。私の年収の数十パーセントを占めたこともあります。一国に留まるよりも、世界市場に打って出た方が、金額感が大きくなるのは自明です。

 私の戦場である歴史・時代小説では先行事例が殆どありませんが、海外翻訳が展開できると、読者数が爆発的に増えて、収入はさらに増えます。