「セクシー田中さん」問題だけじゃない!脚本家と原作者の「致命的な対立」防ぐたった1つの方法とは?Photo:PIXTA

『セクシー田中さん』問題を
組織的視点で考える

 先般、小学館の漫画作品『セクシー田中さん』を日本テレビがドラマ化した際に起こった一連の事件を受けて、小学館、日本テレビ双方が調査報告書を提出した。

 なお、事件とは、脚本家がドラマ制作時の脚本執筆に関する不満をSNSで発信し、それを受けて、原作者が、脚本を原作者自らが書く可能性があることが当初からの約束に含まれていたことなど、自身の側から見た経緯をSNSで弁明すると、今度は脚本家がSNS上で批判され、その直後、原作者が死を選んだというものである。

 このセクシー田中さん問題を、法的、倫理的な観点からではなく、組織の問題として考えてみたい。今回のように2者が協働しようとした場合、起こり得る問題とは何なのか。

「似て非なる」2者が
協働することで起こり得る4つの問題

問題:下記のAさんとBさんが共同作業を行うとどんな問題が発生するだろうか。

Aさん:ある作品で表現した自分の世界観を、別のメディアで、その領域のプロの人たちに委ねて現実化したい
Bさん:ある作品をその世界観を大事にしながら、別のメディアでそのメディアに合った形式と内容で現実化したい

 AさんとBさんは、作品で表現された世界観を大事にしようとする点では共通しているので、認識に大きな齟齬はないようにも思える。

 しかし、このような関係はかなり相性が悪い。似ているから折り合えそう、などと期待するのだが、現実の行動に移す段になると、いろいろな場面で問題が発生する。むしろ、最初からまったく異なる考えを持っているほうが、予防もしっかりするので、対応は楽である。

 本件のAさんとBさんの協業でどんな問題が発生するか。ChatGPTに上記の問題のシミュレーションをさせてみた。