パソコン周辺機器メーカーとして有名なバッファローも、2026年4月下旬に半固体バッテリーを採用したモバイルバッテリー「BMPBSA10000シリーズ」を発売した。半固体バッテリーの特徴、またこれまでモバイルバッテリーを販売していなかった同社がなぜ半固体バッテリーを製品化したのかについて、製品開発担当者に取材した。

なぜモバイルバッテリーは突然燃えるのか~液体電解質という「構造的欠陥」

 モバイルバッテリーは、主にスマートフォンのバッテリー残量が足りないときのための機器として普及しているが、その危険性を理解している人はあまり多くはないのではないか。

 通常、モバイルバッテリーにはリチウムイオンバッテリーが搭載されている。リチウムイオンバッテリーは軽くてエネルギー密度が高いため、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどの内蔵バッテリーとしても広く使われている。

 リチウムイオンバッテリーは、液体の電解質(電解液)が染み込んだセパレーターを、正極(+)と負極(-)でサンドイッチした構造になっている。セパレーターには細かな穴が空いており、電気を運ぶためのイオンが自由に移動できるようになっている。

 電解液は引火しやすい有機溶剤なので、例えば外部から釘を刺したりすると、正極と負極がショートし、大電流が流れて発熱し、電解液に引火して燃えることになる。強い衝撃などでセパレーターが破損した場合も、同様に正極と負極がショートして発火する恐れがある。

 こうした外部的な要因だけでなく、リチウムイオンバッテリーは、充放電を繰り返すことで、負極表面にリチウムのデンドライト(樹枝状結晶)が析出することがある。デンドライトが成長することでセパレーターを突き破り、ショートにつながることもある。

 このようにリチウムイオンバッテリーには、原理的に燃えやすいという欠点がある。もちろん、一般的な使い方をしていて、いきなり発火する可能性はかなり低い。しかし、劣化が進んで膨らんだモバイルバッテリーを使い続ければ発火のリスクも高くなる。手持ちのモバイルバッテリーが膨らんでいないか、改めて確認してみることをお勧めする。