ベイカレントとクローンの
「完全分業制」は何がスゴいのか

「完全分業制」について、他業界の読者の中には、何が凄いのかピンと来ない方がいるかもしれない。

 そこで簡単に説明しておくと、ビッグ4などの大手コンサルファームでは、「役職が上がったコンサルタントが案件獲得を担う」のが一般的である。かみ砕いて言うと、偉いコンサルが最前線で営業活動を行っているのだ。

 ただし、役職者は営業活動だけでなく、多岐にわたるコンサルティング案件の管理なども担わなければならない。こうなると、実績のある人ほどマルチタスクに忙殺され、一つ一つの案件に集中できなくなる。

 一方、本家ベイカレントは、実績のあるコンサルタントを営業関連の負担から解放し、目の前の案件に集中できる体制を整えたのだ。

 こうした「発想の転換」に基づく分業制が、高い利益率を生み出すということを、ベイカレントの“中の人”は身をもって知っている。「独立して、自分もやってみたい」と思い至る社員が出てくるのも無理はないと言える。

 ちなみに筆者の見立てでは、本家ベイカレントは「コンサルの学校」としての側面も持っている。同社はポテンシャル採用を積極的に行い、コンサル未経験の事業会社(SIerなど)の出身者を大量採用し、優秀なコンサルタントとして育成してきた。

 つまり、従来であればコンサルファームに入社できなかった層にも機会を与え、コンサルスキルを習得させたのだ。育てた人材の独立が相次いでいるのは皮肉な結果だが、業界未経験のコンサル志望者や起業志望者にとって、本家ベイカレントは「ビジネススクール顔負けの実務家養成機関」として機能したのだろう。

 では、そういった“卒業生”が立ち上げたベイカレクローンはどんな顧客と相性が良いのか。また、依頼するとどのようなメリットが得られるのか。