「AI Co-Creator」を始めとして、今、日本テレビではさまざまな現場でAI動画生成を試してみている。6月10日22時から最終話が放送されるドラマ「月夜行路―答えは名作の中に―」もその一つ。どのシーンでAIが使われているのか、ぜひ考察してみてほしい。
6月10日に最終話が放送されるドラマ「月夜行路―答えは名作の中に―」でも、AI動画生成を活用している(日本テレビ公式サイトより)
AIは人間の表現力を拡張する
変わったのは、制作プロセスだけではない。AIは、作り手のクリエイティビティに火をつけた。はじめはAIをよく知らなかった監督やプロデューサーが、いつの間にか自ら画像を生成し、古谷さんに見せに来るようになっていた。「アイデアを一瞬で絵にして伝えられるから、すごく楽しいんだと思います」と古谷さん。AIはクリエイターから何かを奪うのではなく、まだ輪郭のないひらめきを形にする伴走者となっていた。
古谷さんもまた、現場に育てられていた。はじめは飛び交う用語もおぼつかず、監督についてもWikipediaで調べるところから始まった。この頃は、カット割りを読んで「ほしいのはきっとこういう絵だろう」と逆算して映像を生成するも、なかなかOKが出ない。カット割りにまで落ちてこない監督の脳内を読み解くのは至難の業。「70点の映像は割と出せるんですよ。そこから100点に近づける作業が本当に大変でした」(古谷さん)
だが、監督とやり取りを繰り返すうちに、古谷さんは監督の言わんとすることが少しずつ汲み取れるようになっていた。100点を叩き出すまでのスピードも、格段に上がっていったという。AIクリエイターの本質は、現場に溶け込み、言葉にならない作り手の意思をつかみ取ることにあったのだ。
生成AIが奪う仕事もあれば、新たに生みだす仕事もあるという。ただ、その仕事は決してスマートではなく、あまりにも泥臭い。







