佐藤優 知を磨く読書東京大学本郷キャンパス 重要文化財の赤門 Photo:PIXTA

最前線で働くビジネスパーソンが押さえておきたい、時代の変化とその背景を理解する上で欠かせない注目書籍を作家で元外交官の佐藤優さんが厳選する。東大と京大の決定的な違いとは?未来の知的エリートを育成する「小学生のときに読んでほしい1冊」とは?日本型の人文知をビジネスに生かす方法とは?『京大理系の科学入門』『教科書の名作で哲学する』『人文知は武器になる』の3冊から「ここだけは読んでほしい重要な箇所」を紹介する。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優)

東大と京大の
決定的な違いとは?

 東京大学と京都大学は、その設立理念が異なる。東大は官僚の養成が主目的だったことはよく知られている。他方、京大が理系の研究者養成を目的としてつくられた大学であることは意外と知られていない。

 1897年に京大がスタートしたときは、土木工学科、機械工学科、数学科、物理学科、純正化学科、電気工学科、採鉱冶金学科、製造化学科から成る理工科大学だった。法科大学と医科大学は2年後の99年に、文科大学は1906年に設置された。

 また東大が留年のある学年制を取ったのに対して京大は単位制を取った。留年がないので5回生、6回生が出てくるのだ。

 東大では、駒場の前期教養課程2年間で中等教育段階の欠損を徹底的になくすようにする。