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2025年末、ドローンと暗号資産マイニング用PCを「節税商品」として販売していたドローンネットが破産した。同社を含む減価償却を利用した節税商品を販売する企業は世にあふれているが、これらの節税方法は本質的ではなく、まやかしに過ぎない。連載『富裕層必見! 資産防衛&節税術』の第7回では、税理士・吉澤大氏がそのリスクを鋭く指摘する。(税理士 吉澤 大)
25年最大の負債総額で破産したドローンネット
その破綻から見る減価償却活用節税の危うさ
2025年12月、ドローンや暗号資産の採掘(マイニング)装置の販売を展開していたドローンネットが東京地裁から破産開始決定を受けた。
ドローンの販売や教室の運営事業によって、2023年2月期には年商313億円を誇っていた同社。その成長は、じつは減価償却で節税を狙う富裕層向けに、ドローンや暗号資産のマイニング用PCを利用した節税商品の提供によって支えられていた。暗号資産への投資ブームも相まって、同社の年商は25年2月期に977億円へ急成長したのである。
しかし、ドローンネットは約30億円の所得隠しが発覚して以降、販売が低迷する。そして実質的な経営者の死去もあり、25年12月に突然破綻した。同社の負債総額は、同年最大の1445億円にも及ぶ。
この破綻劇は、「減価償却で節税」という甘い言葉に乗せられたあまたの企業が、前払いした資金を失うという節税スキームの残酷な末路を示す典型例と言ってもよいだろう。本稿では、税理士として多くの中小企業の税務を見てきた立場から、この破綻事件が教える「前払い型節税の本質的な問題」について説明していくことにする。
1年以上利用が可能と見込まれる固定資産は、支出時に全額の損金算入が認められず、その利用可能期間(耐用年数)にわたる減価償却によって、損金に算入される。しかし、1つ当たり10万円未満の「少額減価償却資産」については、例外的に、減価償却は不要で、支出時に全額損金算入が認められている。
そこに着目をし、建築現場の足場やドローンなど、1つ当たりは10万円未満である商材を大量に購入してはレンタルをする――。これが、「節税商品」として近年、さまざまな商材を使って売られてきたパッケージだ。
だが、ドローンネットの破綻からもわかるように、こうした節税手段には大きな落とし穴がある。次ページから詳しくみていこう。







