労働党の党首を辞任すると発表した英・スターマー首相(6月22日、ロンドンで) Photo:Wiktor Szymanowicz/gettyimages
スターマー首相辞任
英財政赤字の拡大懸念が強まる
英国のキア・スターマー首相は現地時間6月22日、労働党の党首を辞任すると発表した。労働党は、2024年7月の総選挙で14年ぶりの政権交代を果たし、スターマー政権は高い支持率とともにスタートした。
しかし、その後のスターマー政権は、英経済の低迷に加え、献金に関するスキャンダルや移民問題などで支持率が低迷。今年5月の英地方選挙で労働党が歴史的な惨敗を喫した他、次期党首の有力候補である前グレーター・マンチェスター市長のアンディー・バーナム氏が6月18日の下院補欠選挙で勝利し、下院議員に復帰したことで、労働党内ではバーナム氏を次期首相に推す流れが強まっていた。
今後、労働党による党首選を経て、英国議会が夏季休暇後に再開する9月までにバーナム氏が首相に就任するとみられている。
通常、政局の混乱は当該通貨の売りにつながる。5月7日の英地方選挙での惨敗でスターマー首相への辞任圧力が高まるにつれて、ポンドは対ドルでの売りを強め、ポンド円でもポンド売りと円売りが交錯する形で、上値を抑える展開となった。
市場はさらに次期政権に対する警戒感も強めている。左派色の強いバーナム氏が積極財政を志向することで財政赤字が拡大する可能性が警戒されている。英国では2022年9月に誕生したトラス政権において、景気刺激のための財源の裏付けのない大規模減税策の発表により、財政赤字懸念が一気に拡大し、英長期金利の急騰、英株安、ポンド安のいわゆるトラスショックを招いた記憶が新しい。
日本でも、高市政権下での積極財政姿勢が大きな円安につながった。高市政権が責任ある積極財政として、単なるバラマキではないと強調しても、市場の警戒感が消えないように、財政赤字拡大に対する市場の警戒感は根強い通貨売り材料となりうる。







