金利上昇・株高で
ゆとり出る年金運用
最近、日本の公的・私的(企業や個人)年金の運用状況が改善している。背景にはまず、金利の上昇が挙げられる。
2024年3月、日銀はマイナス金利政策を解除した。その後の利上げで、国債や社債などの利回りは上昇。これにより、年金基金の利息収入は増えている。
また、金利が上昇すると、企業年金基金が想定する年金債務の価額は小さくなる。それもまたプラスに作用する。
退職給付債務は、企業が将来給付すべき金額のうち、直近期末までに発生している額の現在価値として管理される。金利が上昇すると、将来の支払い義務がある金額を割り引いた現在価値は小さくなる。つまり、債務額は減ることになる。
それに加えてAI(人工知能)への期待から世界的にIT先端企業の業績が拡大している。配当金の支払額は増え、株価は上がっている。とりわけ半導体関連など注目度の高い銘柄の値上がりは急速だ。
多くの年金基金は、あらかじめ株式や債券などの保有割合の上限を設定している。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の場合、内外の債券、株式の基本割合は25%ずつ。
株価が上がり株式の時価ベースの割合が一定水準に到達すると、年金基金は利益確定の売りを入れる。そうすることで給付の原資を積み増し、資産との配分割合を所定の水準に戻す(リバランス)。最近の株価上昇で利益を確定しやすくなったことも、年金財政の改善および給付引き上げ検討につながった。
また、米国などのプライベート・クレジット(ノンバンク融資)のファンドに資金を配分し、より高い利得を狙う年金基金も増えている。そうした投資がうまくいくことでも効率性は改善される。
こうした年金基金の財政改善の機会を活かして、年金の給付額を引き上げる企業も想定される。短期的には、年金基金の運営は余裕が生まれている。
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GPIF2025年度の運用実績ハイライト(2)







