参院決算委員会で答弁する高市早苗首相=7月6日、国会内 Photo:JIJI
給付付き税額控除は29年度本格導入
財源確保策は不透明、「中間とりまとめ案」
中低所得層の所得下支えや就労支援などの切り札として検討されていた給付付き税額控除制度が、「所得に連動したきめ細かな給付」(所得連動型給付)として、2027年度から段階的に導入される見通しになった。
社会保障国民会議の実務者会議で「中間とりまとめ案」が公表され、所得連動型給付を27年度に先行導入し、29年度の本格導入を目指す。
案によると、勤労性の所得(給与や事業所得など)が一定の水準に達するまでは給付額が増加し、その後は定額となり、さらに、総所得が一定額を超える場合、総所得に応じて給付額は減少し、最終的にはゼロになるという。
所得連動型給付は、税・社会保険料の純負担率の軽減が必要な中低所得の現役勤労者を主たる対象に、「貧困層の貧困化」が特徴である日本の格差問題の対応策として、負担軽減だけでなく、就労や子育て支援など、幅広い活用が期待できる。
だが大きな懸念は、29年度の本格導入までの「つなぎ」として、軽減税率対象の飲食料品の消費税率を27年4月から2年間、現在の8%から1%へと引き下げることが示されていることだ。
先行導入される所得連動型給付は、食料品の消費税率1%相当分の範囲内の規模で行われる。
この同時実施により、先の総選挙で自民党・日本維新の会の与党が公約として実現の検討を加速させるとした2年間の食料品消費税ゼロを、実質的に実現するという。
だが、食料品の消費減税が所得連動型給付の本格導入の「つなぎ」になるのか大いに疑問だ。
所得連動型給付は、前述のように中低所得の現役勤労者の負担軽減が目的だ。高所得世帯に多額の減税効果が及ぶ消費減税とは、政策目的も対象も異なる。
所得連動型給付を27年度に先行導入できるのであれば、巨額の財政支出を伴う消費減税をあえて実施する必要はない。
しかも中間とりまとめ案では、二つの制度を実施するための財源について「早期に結論を得る」と記されただけで、財源確保の具体策が不明確であることが浮き彫りになった。







